とりたててclaimしないザイニチ

で、そのシネリーブル博多駅


『番格ロック』

人が映画に感動するのは、登場人物に共感するからで、そしてそれは、きわめて「個人的」な感情でしかありえない。(略)
ところが、「在日朝鮮人」を正面きってとりあげたいくつかの「社会派映画」(その多くは独立プロの自主制作だ)は、その種の共感を覚えさせてくれない。
(『殺しの軍団』在日朝鮮人映画の突破口」 黄民基)
『映画の見方が変わる本』

ロンドンで大当たりしたミュージカル『ミス・サイゴン』が、ブロードウェイに来る話が持ち上がった。ロンドンで欧亜混血の「ポン引き」役を演じたウェールズ系イギリス人ジョナサン・プライスと、娼婦「ミス・サイゴン」役を演じたフィリピン人女優リア・サロンガ、この主役の二人はそのままイギリスから連れて来ることなった。そのとき、アジア系戯曲家と俳優が全米俳優組合に、「アメリカにはたくさんのアジア系俳優がいるのに、主役を外国人に演じさせるのは侮辱ではないか。特になぜ欧亜混血の役を外国人が演じないかと」とクレイムをつけた。
(『ミス・サイゴン』陥落の顛末 越智道雄)
異人たちのハリウッド―「民族」というキーワードで映画の見方が変わる! (別冊宝島―映画宝島)

なーんて話は今回はパス。

『下妻』→『パッチギ』→『フラガール』→になり損ねた『プルコギ』

いや、だってさ日ごろは履かない白のコンバース履いていったら、山田優(役名がよりによってヨリ)がコンバースで飛び蹴りなんてシーンがみれたんだから、かねがねもっと彼女には木苺の香りをもっと立ててほしいと思ってる僕としてはそれだけでかなり高得点だ、というわけではない・・・です。
この映画非常にもったいない・・・です。
焼肉ムービーと銘打ち、赤肉vs白肉勝負がメインスストーリーでありながら、実は××直伝のケンニップ(えごまの葉のつけもの)が話のミソいや、ジャンだったなんてアイデアとか、はまってる俳優陣―個人的には倍賞美津子の店の常連の木下ほうか、(あの映画で康介に「帰れ」といったからなのか)しょっぱなに勝負に敗れる笹野高史がツボ―だったりとかなかなか楽しめる映画だったのだが、こそっと妙な期待(『下妻』や『フラ』みたにに舐めてたらドンてな)してたからか、どっかこじんまりとした"はじけなさ"が気になった・・・です。
たぶんこん監督の肝っ玉がこまいけんちゃ・・・です。*1
でっちゃ、『復讐者に憐れみを』や『殺人の追憶』を例に出すまでもなく、飛び蹴りは重要な見せ場のはずなんに、せっかくの山田優(TV版『BE−BOP』でその才能の片鱗を見せた)のケリが『下妻』の土屋アンナに見劣りするとはどういうことっちゃ・・・です。
P.S.今回の龍平君はマツダ龍平やった・・・です。いや、「遊戯」シリーズと『探偵物語』なシーンがあるのだが、監督のサービス不足(ってそんなん期待してんのは一部なんだろうけどね)でちょっとものたりんちゃ。

キャロルはハードポップ

で、『番格ロック』。
山内えみこの白のパンツがかっこいいし、なんたって柴田鋭子がクール。
でもってウリのひとつのキャロルなんだけど、永ちゃんになんの思いいれがないんで、かなり素面で見れたんだけど。改めて彼のベースラインてP・マッカトニーやトム・ピーターソンぽいと思った。

*1:CM出身なんてのを云々する馬鹿が今でもいるが、アラン・パーカーデビット・リンチ、リドリー・スコット、大林宣彦中島哲也を同列に扱う愚をおかしていると思う。CM出身だろうとPV出身だろうとTVドラマ出身だろうと助監督たたき上げだろうといっしょバイ・・・です。