息切れした「・・・の見方が変わる本」

別冊宝島100 映画の見方が変わる本』から巻数でいえば220巻後に、年月でいえば約9年後に出たのが

このMOOKはおそらく『映画の見方〜』が以前に映画にまつわる言説にそれほど触れてない層をターゲットに出版されたのと同様に、(たぶん『エヴァ』を契機に)「オタク/サブカル」の分布なんてものがあるのならサブカル方向に広がった、それまでアニメを語る言葉に触れていなかった層に売ろうとした思しきの出版からは、それほど間をおかずに出ているけど。


で、ひとまず、そっちの方はおいといて今回注目したいのが

このMOOK、第1章のこうたきてつや、篠木ぼの、塩田時敏等の考察は上記2冊と同様のテイストを持っているのだが、それ以外の部分がいかんせん少ない文章を大きなイラストで補っている感が否めない。
現場やスタッフについてのリポートに関しても『84 楽屋裏のテレビジョン』の方は【美術編】と【技術編】にわけて、それをさらにパートごとにかなり詳しく紹介してるのに比ると、『テレビドラマの〜』のそれが社会科見学の感想文程度。
たぶんこの差は「映画」や「アニメ」に比べて、「見方」を「変」えたい人々がそれほど多くないんじゃないの?って、このムック作ってる人が感じてたんだろう。

でも、実際は

男泣きTVランド―Tattoo yu (洋泉社MOOK―映画秘宝)

男泣きTVランド―Tattoo yu (洋泉社MOOK―映画秘宝)

夕焼けTV番長(洋泉社MOOK 映画秘宝)

夕焼けTV番長(洋泉社MOOK 映画秘宝)

みたく俳優、脚本家、演出家にスポットを当て、「ドラマの味方」として熱く語る方法もあったわけで。これは「映画」や「アニメ」に比べて「テレビドラマ」がどうのってことではなくて、作り手や書き手の情熱や能力の問題なんだと思う。