東京民賊学?

80年代の宝島に「なんで福岡はこんな店が次々に現れるんだ」といった感じで雑貨屋が紹介されていたころの福岡特に大名から親不孝にかけてはサブカル王国だった。「日本のリバプール」だの「めんたいビート」だののPOPの元に次々とミュージシャンも輩出していたのすげー昔の話だ。その後の停滞気を経て、北天神にまんだらけ福岡店が出店して以来、そこがオタクの街になり、・・・って話を書くの何回めだろう。
んで、そのまんだらけが大名に移転して、汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOGで紹介された場所の近くに行ったら、妙に「サブカル」方面の書籍が充実してて

鬼畜のススメ―世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!!

鬼畜のススメ―世の中を下品のどん底に叩き堕とせ!!

が安く売っていた。あの事件の勃発直後とあの本の発売直後、アマゾンやヤフオク等で品薄となり価格が上昇したこの本が、である。


今改めてこの本を読んでみると、村崎百郎が提示しているのは「ゴミっでも根気よく収集して検証すりゃこんだけいろいろ見えてくんだ」である。(僕があの本やその他の本を読んだりした影響もあるだろうが)「鬼畜」や「下衆」といったキャッチーなフレーズとは裏腹にけっこう静かに(冷静にとはちょっと違うかも)に文章がつづられている。そうこの行為は「路上観察学会」や「VOW」の亜種であり、サブカルチャー文脈的に出るべくして出てきたものである。だもんだから"この本は「東京民賊学」の入門書だ!"なんて戯言を云いたくなったり、村崎が注目された「GON!」の編集長の経歴を元に<サブカルチャー勢力図に秘宝が「ボンクラ」という新しい勢力を生み出したように、DQN/ヤンキー方面から「ゲス」が登場し、「オタク/サブカル」という二項並立では説明が出来なくなった>とかなんとか知った風な口を利きたくなって困るが、それはさておき、ある種の本に必ず書いてある「××は犯罪行為であり、この本はそれを推奨するものではありません」が全くそのまんまの意味でとれる稀有な例だということは言える、と思う。


とかなんとか書きながら、北天神方面に行く機会はぐっと減るだろうなぁと思う僕だった。