マンガ・・・(2)近藤、町山そして赤田

昨日の『宝島EX マンガの読み方』の巻末広告の右の頁には

『宝島30』の、そしてそのちょっと前に出た『宝島EX タイ読本』*1の巻末広告の『絵画の読み方』『写真の新しい読み方』の下には

『映画宝島 異人たちのハリウッド』『同 怪獣学・入門!』が載っている。そう、僕が昨日連想したのは町山智浩である。
『怪獣学・入門』の直接の敵ターゲットは『ウルトラマン研究所説』なので、近藤隆史『怪獣VOW』へのライバル意識があったかどうかは分からないが、近藤が編集長となって発行された『日本一のマンガを探せ』3ヶ月前に『マンガ秘宝 ぶっちぎりヒーロー道』が出ているんで、この二人の間に何にもなかったようには思えんのである。

ところでサブカル保守ってなエントリで使った『噂の眞相 日本の文化人』の「ドロ沼の若手文化人ソーカン図』の下方の出版社・雑誌の比較の図。

左から二番目の太田出版では赤田祐一が「QuickJapan」を発行しはじめたころだった。『サブカルチャー世界遺産』のインタビューで

僕、実は宝島社に入りたかったんですよ。学生時代にちょっと原稿書いたこともあったし、植草甚一さんや、北山耕平さんの頃の「宝島」って憧れだったんですよ。
こういう雑誌を作りたいなっていうのがあって

と答えているんで、彼も広い意味での「宝島系」編集者と言っていいと思う。彼の出世作は『磯野家の謎』であり、アーリーQJの人気連載は大泉実成と組んだ(いっしょに取材に行ってお姉ちゃんのいない店で酒飲んでる)『消えたマンガ家』であり、その評判が良いことで米澤嘉博竹熊健太郎責任編集による『QJマンガ選書』が刊行されるといった感じで、実にマンガにも縁の深い人である。


この同世代(近藤・赤田が61年、町山が62年生)の宝島系スター編集者が揃いも揃ってマンガという題材で同時期にヒットを飛ばしているのは、90年代後半がそういう時代だったということだろうけど、本人たちにその意識がなかったにせよ、どっか競ってたように見えてもおかしくないと思う。


ちなみに町山との関係がどーなってるのかよーわからん山本弘と学会会長であるが、近藤のお友だちの批判本『こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』』はさすがに「トンデモ本」シリーズや「ノストラダムス」シリーズの洋泉社ではなく太田出版から出てるのがちょっとだけ因果を感じる。

*1:企画・取材・編集・執筆東京公司(青山正明)!