宝島の編な広告

石井慎二編集時代の「宝島」78年5月号の特集は「シティ・ボーイズ&セックス 今月は、セックスについて陽気に考えてみよう」なんだけど、その特集頁が終わったすぐ後の「別冊宝島」の広告がちょばかりヘン。

webではよーわからんと思うので数字をふってみると

となるんだけど、見ての通り(1)(2)(3)(4)と刊行順に並んでないのである。これが時代が下って品切れなどで欠番が出てくるころだと別にヘンではないんだけど、このころはまだまだそうじゃない時期なんで、やっぱりこれはヘン。頁をめくると案の定

と(3)(4)(7)(8)が並んでる。
やっぱりヘンでしょ、これ。
もしかして当初の予定では

という見開きで使用するつもりでデザインしたものが、編集の都合(セックス特集とジミー・クリフのインタビューのブリッジというか緩衝地帯が欲しかったんだけど他に適当なもんがなかったとか)で、イチイチデザイン変えるのもめんどくさいんでって、こんなカタチで掲載されることなったんじゃないのだろうか。


この号では「スペース・オペラ」も特集されていて、「宇宙軍大元帥」こと野田昌弘中心に翻訳された文庫本が紹介されいる。前年に「ほとんど日本初の本格スペース・オペラ」である「クラッシャー・ジョウ」シリーズ*1の第1作が刊行され、この号が出た頃に同じ曜日の裏で『SF西遊記タージンガー』や『スターウルフ』の激突が開始され、半年後には前日登場の大野雄二が音楽を担当した『キャプテン・フューチャー』がNHKでアニメ化されるという、まさに日本でスペ・オペがコアなSFな人たちの枠を越えて来ていた時期だったでしょう。それもこれも『スターウォーズ』の公開を控えてのことなのかと(なんかこのあたりにとある因果を感じてしまうがそのヘンはパス)。
そんな特集の扉で

『スターウルフ』や『キャプテンフューチャー』、『エイリアン』の元ネタの一つといわれる『宇宙船ヴィーグル号の冒険』などを押しのけ最前列センターの位置を取ったのが

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

せっかくチャンスの順番が回ってきた『火星のプリンセス』なのだが、雑誌製版の都合上ほとんど見えない(上のスキャン図はこれでもおもいきり開いておる)ってところにちょっぴり悲しさを感じないでもない。それは、結局来年には完成・公開されることになりそうな映画『John Carter of Mars』なんだけど、創元その他の出版社がどんな対応をとるのか、今から楽しみである。どうも原作一巻=映画一本てなことでもなさそうなので一つ一つのカバーを変更するのも面倒くさそう。だから、一番安価でできる帯だけか、『悪人』や『テンペスト』のようなダブルカバーっていう方法をとることになると思うんだけど。