ジュンちゃん、カワイイ

ここでいうジュンちゃんとは大作家(なんだろう)吉行淳之介のこと。
先日買った

に「恐怖対談 こわいでしたねサヨナラ篇」と題して淀川長治先生との対談が収録されている。いやー、対談の初めっころは快調にとばしてた吉行先生んだけど淀長先生が『太陽がいっぱい』にかんして
「あの映画はホモセクシャル映画の第1号なんですよね」
とアクセル踏みだしてからは、もうダメ。それでもすぐには納得せずに
「え、そんな馬鹿な」
とか
「違うと思うんだがなあ」
と抵抗を示していたんだけど、淀長先生が
「映画の文法というのがあるんです」
とベタ踏みした時点で降参してまして、フィニッシュの
「監督がルネ・クレマンだから、いえるのね」
には、ただただ
「勉強になりました。長いこと小説やってて、そこに気がつかないんじゃ駄目だな」
敬意を示すのみ。もっと食いつくとこだろ、ここ!と思うんだけど。


吉行淳之介をしっかり納得させる淀川長治もすごいんだけど、ちゃんと理解しようとする吉行淳之介も偉いと思った。