なんか変だろ!主演×優賞主演男優賞は渡辺謙/ブルーリボン賞 - シネマニュース : nikkansports.com

主演女優賞に蒼井優/ブルーリボン賞 - シネマニュース : nikkansports.com
なんだかさぁ、渡辺謙に関しちゃ、『硫黄島からの手紙』のKen・Watanabeに授賞した印象が強いし、蒼井優に至っては「特に『フラガール』の演技が絶賛されたが」って『フラガール』はどう観ても「主演」じゃねーし。
まあ、蒼井優の主演女優賞を一番喜んでんのは原作者の羽海野チカだろうね。キューティ・コミック(岡崎京子)系の痛々しい漫画原作を、単細胞な「みんな片思い」なとこだけシングルカットして、簡単に泣けないと損と思ってる人たちを泣かせる映画になったことで、去年の邦画最大の「癒し映画」にしてもらったんだからね。まあ癒されたのが、原作の愛読者ではなくて原作者というのが腑に落ちない点なんだが。
原作読まずに映画だけ観た人間が蒼井優の演技を褒めるのは理解できる。原作にある「才能」「家族」「将来」にまつわる不安をすっぽり外して、頭の悪い高校生があこがれる美大のフンイキ満載*1のあの映画のなかの彼女は確かに輝いている。
が、蒼井優がはぐにぴったりというヤツはホントにマンガ読んだのか。はぐが肉体的に順調な成長を遂げてないことには

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ほど意識的でないにしても、育ってきた環境で成長をスポイルされてきたことが描かれているだろうって。これってシレーヌがビーチク見せてないとか、ジャッジ・ドレッドがすぐに素顔をさらすとかってのと同様の問題だぞ。
あーあ、蒼井優と伊勢谷(こいつだと単なる女好きのバカにしか見えん)を外して、他のキャスト―今メチャクチャ評判のいい加瀬亮を単なるストーカーじゃなく、西田尚美を『電車男』『天使』の連鎖から解き放つなどして―は基本そのまんまで原作とちゃんと向き合うどろどろした続編を作ろうというヤツはいないのか。
まあそんなことしても興収100分の1くらいになってしまいますもんね。商売は大事!

*1:原作ではそれを極力排除している。また地元商店街を頻繁に登場させることでオサレ感を出さない努力をしている。