あらかじめ「わたし、女優なんだから」なドラマ化

昭夫、静香の頬を張る。
サングラスが飛ぶ。
静香「やめてッ!顔ぶたないで、わたし、女優なんだから…
  お願い、舞台があるの」

薬師丸ひろ子主演

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の有名なセリフである。当時世間では薬師丸のことはアイドルだとは思っててもあんまり女優だと思ってはいなかったんで、このシーンをフィーチャーしたTVスポットにはみんなびっくりした。
でも、この作品で彼女は女優として開花し、日本アカデミーの主演女優賞にノミネートされ*1ブルーリボンの主演女優賞を獲得したということになっている。監督の澤井信一郎の夏樹静子との対談でも「薬師丸に主演女優賞をとらせたい」なんて意気込んでいるのが微笑ましい。


それはそうとTBSが『Wの悲劇』ドラマ化したそうである。
TBS 「 夏樹静子・作家40年記念サスペンス特別企画 『 Wの悲劇 』 」
映画が原作部分を劇中劇(実際に蜷川幸雄が演出を担当)にして、劇団の新人女優のラブストーリーに改変したのに対し、今度のドラマは正々堂々(?)のミステリーのようである。まあこの脚本を担当している岡田惠和の代表作の一つ『イグアナの娘』のころからすでにだれもが「女優」だと認めていた菅野美穂に今更あのセリフを言わせるわけにもいかないし・・・というか薬師丸が舞台で演じたのは和辻摩子で、今回菅野の役はその家庭教師の一条春生。だから『Wの悲劇』のもう一つの印象的なセリフ「私、おじいさまを殺してしまった」を口にするのは谷村美月なんだけど、彼女にしたってとうにみんな女優だと思っておるわけで。

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そういえば前述の対談で夏樹先生は原作を「舞台になったらいいなぁ」なんて思って書いたんで、映画化の際のアイディアは「わが意を得たり」とおっしゃってるんだけど、今回のドラマはドラマにもすげー好意的な意見をサイトのインタビューで述べてらっさる。大人なんだなーと思うと思うともに、もしかしたら岡田惠和脚本なんで

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チックな会話劇になってたりして、なんていうヨコシマな期待をしてたるする僕であった。

*1:この時の最優秀主演女優賞は倍賞美津子