日本映画の一人24年組・・・ともちと違う

古書店新古書店に入って買うものが無い!とあせることがよくある。
先週行ったひさかたぶり新宮のブックオフもそうだった。
そんで買ったのが

女が映画を作るとき (平凡社新書)

女が映画を作るとき (平凡社新書)

実はこの方、浜野佐知監督のことは全く存じ上げてなく、作品も見たことがない。せいぜい『銀製倶楽部 桃色映画天国』の紹介を読んだくらいだった。
だからあんまり先入観をもたずに読み始められた。んで、最初の方の若プロのくだりで、ふと重信房子の『わが愛 わが革命』を思いうかべたんだけど、案外ふわっとした文体ですげー闘争を描くことに関しては共通しているものの、重信の方がもっとトントン拍子に進んでいくんで、あ、こりゃ違うなという気持ちになり、浜野監督の生年のことから「映画界の一人24年組」なんてキャッチフレーズが頭をよぎったけど、マンガ界の方がまだ映画界に比べりゃずっと風通しの良い場所だったわけで、それも違うな!と。
で、これまた

ユリイカ2006年12月号 特集=監督系女子ファイル

ユリイカ2006年12月号 特集=監督系女子ファイル

に出てくる監督たちとも違っている。というのも、彼女たちの多くが「チーフ助監督」を経ないで監督になっているから。浜野佐知こそオンリーワンな存在なのだという至極当然のことを本の中盤でやっと気づいて、なんかの範疇に押し込めようとした自分が恥ずかしくなった。
うん、だからやっぱ映画化された
大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

のメガホンはこの人がとった方が良かったんじゃないかなぁ、なんて知った風な口をきく資格は僕にはないわな。