面白そうだと読まない主義
『otome continue vol.6』の"世紀の対談”の続き。
少女マンガ史どころか日本の文芸史上に残るであろう互いの初期傑作『アラベスク』と『ポーの一族』に関して、萩尾先生は『アラベスク』に絶大な賛辞を贈ってるのに対し、山岸先生は「怖くて読んでない」てな見事な非対称=アシンメトリー*1をなしているんだけど。
当然これは予想できたことで、モーさまはよしながふみとの対談
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女がものを考えていることがちょっと不愉快なのかもしれません(笑)
と対談相手と呼吸をあわせるといったクレバーな発言をして、少女マンガの現役の読者であり守護神であることを示している。それに対し、お凉さまは
少女まんが ゆめ王国―ファンタジーとロマンの世界を訪ねて (Moe books)
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山岸 わたし、らもさんの作品を以前から面白そうだなと思っていまして、だから、読まなかったんです(笑)。私、人の書いた面白そうなものって読まない主義なんです
と、いきなり無礼ともとるような発言をしていて、そのあと
人が完成してしまった作品を読んでも…という気がしてしまって。別の意味で楽しめばいいんでしょうけど、そこで感動しても自分は作る方だから
と語ってる。これ、突き詰めてみれば他人の「作品」にあんまり興味がない(興味はあるんだけど・・・っていう種類の興味のなさ)ってことなんではないかと。
その後、お凉さま×らも対談は「恐怖とギャグは瓜二つ」「喜怒哀楽はいきつくと突然別のものにかわる」という方向に進む。不思議なことにモーさま×ふみ対談も、その後によしながの"こわい"マンガ体験の話に移っていくんだけど、その代表例が『トーマの心臓』と『綿の国星』
ってとこが面白い(『日出処天子』じゃないんだ?!)。今回続けて読んでみて、これはこれでちょっと「こわい」気がする*3。
※「超克」を当然しょっぱな「彫刻」と変換されるわけで、上掲『OCvol.6』でAKBの衣装リポートをしている801ちゃん&小島アジコが『AKB推し!』で担当している、秋元才加の「マジすか」の役名が「チョーコク」である。彼女は一部後輩メンバーから「幽霊よりオバケより秋元才加がこわい」*4といわれているそうだとか。なんだか彼女は5年後くらいに「ゴチになります」で、現在の江角マキコのポジションを担っているような気がする。