『このアニ』の山本会長がちょっとすごい＋

てこって

このアニメがすごい!―絶対保存版 (別冊宝島 (293))

このムックは普通にすごいのであるが、特に【パート１　驚異のスーパーロボット誕生】の山本弘｢タツノコプロアンチヒーローたちの憂鬱｣がこれまたすごい。
まあ構成的はメカデザインやアニメーターや脚本家といったスタッフを褒めた後に印象に残る｢憂鬱｣で後味の悪いエピソードを語るという至って普通のもんなのだが、ところどころで

子供たちの人気や知名度の点では、確かに『マジンガーＺ』『デビルマン』などの東映の作品群に大きくリードされていた。だが、客観的な作品の質ではタツノコの方が断然優れていた

といったタツノコ愛を炸裂させるのが山本節全開。このムック製作に当たっては、東映動画の協力も仰いでるだろうに。それにいっこ前の赤星政尚｢若造よ、魂の故郷『マジンガーＺ』を見よ！｣の立場が･･･(でも、赤星｢あの時代子供番組は毎日がエヴァンゲリオンだった｣も『マンガ地獄変トラウマヒーロー総進撃』との違いは紙質くらい-別冊宝島の方が白い)。
おそらくこの山本会長の中学生感覚が、町山智浩との相性が良かった点だと思われる。
※ソ映画に関しては、『デビルマソ』が原作テレビ版が東映で、『キャシャーソ』がタツノコなのに、会長の怒り度合いは『デビルマソ』の方が大きかったのは面白い。比較してもしようがないけど。

おたく+ボンクラという

そのウェイン町山。
名をあげたのが｢映画宝島｣→｢映画秘宝｣だったり、近刊が

トラウマ映画館

だったり、長らく品切れ中でヤフオク等でプレミアがついてたりもした

映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)

が増刷されたりと｢実写映画｣のイメージが強い人ではあるが、宝島以前のお仕事が『アニメコレクション　ルパン三世　ＰＡＲＴ-１』『同ＰＡＲＴ-２』(双葉社)や、『映画版イデオン大百科』・『ザブングル・ダグラムメカ大百科』 (ケイブンシャ)等とキャリアのスタートがアニメがらみであることを見逃してはいけない。だから、あのアーリー秘宝の醸し出す雰囲気には｢映画宝庫｣の先達から影響と、これらのアニメ関連で培ったおたくな言葉との(コン)フージョンがあったってことではないだろうか。

それはそうと、このお二人、この数日のデマに怒ってのアクションが妙に対照的だったような気もする。
山本弘のSF秘密基地BLOG:大惨事に便乗するクズども・その２
町山智浩さんのつぶやきと世界の人たち - Togetter
まあ二人の差というより、ｔwitterっていう道具がこういうことに(も)向いてるって面が大きいのかな。