殺人の次告〜実録MWの巻末広告

※タイトルは「さつじんのつぎこく」と読む、「次告」とは「次号予告」のことである。

別冊映画秘宝の人気シリーズ「マーダー・ウォッチャー」の巻末広告


『vol.2 実録!』『vol.3 わかる本』

『vol.4 すごい』『vol.5 大パニック』

まあ、並べただけではなんてことはないんだけど、『2』と『3』の間には3年もかかってるわけで、まあ流石に「次号予告」と中身にはかなりのひらきがある。んじゃぁ、なんで3年後に続巻が出たかというと、まあおそらくいろんなもんが熟したからということなんだろうけど、その最大の理由はテーマと商売にあった書き手がタイミングよく現れた体ということなんだと思われる。

三人のまーだーうぉちゃー

『3わかる本』の露払いを果たした「マーダー・ウォッチャー・プレス」で直前に起きた秋葉原無差別殺傷事件に言及するといった、編集部の無茶な要求をしっかりこなしたのは『村崎百郎の本』でも主要インタビューや仕事史を担当し、あの本の価値を高めた多田遠志もそうなんだけど、それ以上に『ヒステリック・サバイバー』でアメリカでのスクール・シューティングに遭遇した少年が日本の郊外の学校で苦闘する姿をロマンチックに描き、最新作『ダブル』ではちょっと描写を変えれば北川景子戸田恵梨香出演のTBSドラマにでもできそうと言った懐の深さをしめした深町秋生と、あの鈴木邦夫に「日本観が変わった」とまで言わしめた『戦前の少年犯罪』の管賀江留郎のこのシーン(というものがあれば)への登場が大きいと思われる。 その後も発売時期に都合よく大事件が起きるというラッキーにも恵まれて順調に敢行されている。
ま、高橋ヨシキデザインの表紙のモデル杉浦亜沙美の存在も大きいんだろうけど。

1回こっきりのsoldoutメソッド

そうれはそうと『vol5 大パニック』の巻頭広告が変。

まずはバックナンバーの並べ方が変。敢行順に数字を当てると

ってなるんだけど、縦書き左開きの表2でこの順番はちょっとばっかしめんどくさい。思わず2→4→1→3と目が動いた後に、おっとこりゃぁ違うばいと眺める順番を修正しなくちゃならんのである。それとこれ『1』と『2』に「sold out!」がかぶさってる。たしかに「スタジオ・ヴォイス」だとか「SWITCH」なんかのすかした雑誌のバックナンバー広告なんかにもこの「sold out」の札がかかってることは多かったし、青林堂「ガロ」なんか「品切れ」の方が多い場合もあった。でも、この場合のように、そもそも3年間の空白があって絶版になってるもんを載せる必要があったかのだろうか。あっさり次の号「わかる本2010」では

やってない。
これなんだんたんだろう。

別冊映画秘宝 実録殺人映画ロードマップ

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実録 この殺人はすごい! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

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殺人の追憶 [DVD]

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村崎百郎の本

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ヒステリック・サバイバー (宝島社文庫)

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戦前の少年犯罪

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