KはKOのK〜Qにあらず

ひとまず


闇のよぶ声 (角川文庫 緑 245-4)

を読み始めたわけだけど。なるほど、この小説どっかヘンテコだ。一応「探偵役」の会沢ってのが大学病院医局勤務の「神経医」なんだけど、この人の口から次から次へと精神医学や心理学の学説が紹介され、それがいかにも信憑性があるかのように語られてるところからなんだか妙な気分になってきた。
彼が勤めているのがK大学病院ってことになってて、東京にあって下山事件にふれてあるんで、間違いなく慶応義塾大学のこと。これがイニシャル表記なのはおそらく大人の事情で直截な名指しを避けたってことなんだろうけど、同じ遠藤周作の映画ジャケ

のことを思いうかべると、この「K」がなんだか「九州」の頭文字だと思えてきて、だとしたら九州大学医学部の精神科医ってことで

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

を意識してんじゃないのかってな疑念が湧いてきた。
そんで遠藤周作としてはドグラマグラないように、「理性のブレーキ」を踏んだつもりが違うアクセル踏んでしまって、さらにはハンドル操作を間違えて明後日の方向に話が進んでしまったってことなんではないか、と。


これと『野獣死すべし』じゃあ、小林麻美じゃなくても映画出演の意欲ってのが削がれてしまうのは仕方ないわな。