タケル・ザ・バーバリアン

ヤマトタケルの話って、おそらく中学か高校に豊田有恒の「ヤマトタケル」シリーズを読んで以来のことなんで、僕の中に特別な「ヤマトタケル像」というもんなんか無かったのだけど、さっき読んだ

ヤマトタケル

ヤマトタケル

には驚いた。山岸凉子が筋骨隆々の野郎を主人公にするとは思わなかったからだ。それもバレエダンサーのような筋肉質ではなくって、かなりムダに筋肉ついてるタイプをである。山岸先生はこのヤマトタケルを書くにあたって、シュワやスタの資料を集めたとあとがきで書いてあるんだけど、おそらく一番参考にしたと思われるのがだと思う(88頁の一枚画のふとももからふくらはぎにかけてがまさにそう)。だからヤイレホがヤマトタケルを「蛮人」呼ばわりすんのも、この映画の原題“Conan the Barbarian”を意識してのことなんではないだろうか。


んで、それが成功してるかというと、そうでもなくって。こんなに強そうなら(言いかえるならシュワやスタなら)熊襲蝦夷なんか一人で全滅させそうじゃんって気になってくる。一人で全滅といえば「ランボー」がシリーズを重ねるごとに、アメリカ帝国主義の尖兵なっていくのと、ヤマトタケルも結局はヤマトの侵略の手先として機能していくのも似てるようなもするし。

日出処の天子』との差別化をはかろうとして、中性的な美少年の主人公をさけたんだろうけど、だったらって気がするよ。