××ギャルのための!コミック雑誌?

NHKの教養番組「プレミアム8 シリーズ巨匠たちの肖像の一編に「ドガ 踊り子の画家」というのがあって、NHKBSでやたらと番宣をやっておった。
んで、マンガでドガといえば

である…かどうかは全く知らないし、その番組も見ていない。


んで、この森脇真末味の処女作を含む初期作品集。僕が注目したのは中身ではなくって、やはり広告である。

それもコミックス「サンコミックス・ストロベリー」の方ではなく、雑誌「デュオ」の方。雑誌名の「デュオ」は、やはり少女マンガとロックの密接の関係*1を表すかのように、先頃逝去したロニー・ジェームス・デュオ由来・・・ではなくって、雑誌の出自も含めて『消えたマンガ雑誌*2によれば

'81年に『マンガ少年』が休刊、『DUO』へと姿を変える。『DUO』は、ひとことで言えば"『マンガ少年』の少女版"つまり『マンガ少女』ってことか。当初は「おとこのコとおんなのコのためのニューエイジ・コミック」と銘打たれていたが、徐々に女性読者に焦点が絞られ

て行った、とのことらしい。
実際この『夢喰いドガ』が発行された83年1月時点では完全に「女性読者」に絞られていておるようで、この広告でもその対象を



男の子よりおもしろい『デュオ』!!
コミックギャルのための『デュオ』!!

としている。
当時の「ギャル」という語は、今現在の―例えば小明『アイドル墜落日記』*3での

中一のとき、姉*4がヤンキーからギャルに華麗に転進

というような―意味合いはなく、漠然と「女の子」を新しい言葉で言い換えたモノであったと記憶している。ちなみにとある代議士が国会で「ギャルズライフ」等の雑誌を目の敵にするのは翌年(84年)のことである。*5
ゆえに「コミックギャル」っていうのは「マンガを読む女の子」くらいの意味だと思って間違ってないと思う。
だが、しかし、よーわからんのがカバー折り返し広告


シティギャルのための『デュオ』

の方である。
そもそも「シティギャル」なることば自体も謎。そんで、ひとまず「シティボーイ」誌といえば初期『宝島』や『ポパイ』が思い浮かぶと思うのだが、JICC(宝島社)が「CUTiE Comic」を、マガジンハウスが「コミック アレ!」を発刊するのはもうちょい後の話なんで、ほんとこのコピーを書いた人が誰に訴求しようと思ったのか謎である。
もしかしたら、『マンガ宝島』*6のアンケートで

80年代はシティのマンガでしょう

と答えた小中陽太郎(作家)に訊いたら判るかもしれないけど。


どっかに我こそは当時の「シティギャル」である!ていう女性の「デュオ」の回想文が転がってないかなぁ。

*1:参考:少女漫画に出てくるロックバンド

*2:

*3:

アイドル墜落日記

アイドル墜落日記

*4:google:青木のあ RAKUGAKI

*5:参考:高清水美音子「国会を騒がせた[ギャルズライフ]の中身とは?」

*6: