DMZってなんの略?

興味深いコンセプトで古典的なSFの伝統的な異常テーマを扱った作品といえるだろう。しかしSFはもともと私の趣味にあわない。ビデオショップのGIが勧めたので借りてきたが、やはりがっかりさせられた。そのうえ、この映画は普通のSF作品に比べて退屈だ。

ここの部分だけ読んでも、この文章を書いた人間がよくモノを考えてるとは思えない。よく知らないものに対してこんな風に断罪してしまうってのはどっちかというと頭の悪い人間のすることだ。その映画が

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ってんだから始末が悪い。
そんで、これは映画
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の原作
JSA―共同警備区域 (文春文庫)

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(原題『DMZ非武装地帯』)での主人公ベルサミ少領の述懐である。訳者あとがきによれば、この作品

96年の民音社主催「今日の作家賞」の最終審査に残りながら「いくら小説でも、板門店で南北の兵士が交流することなどありえない」という理由で落選した。曰月作品である。ところがその直後、板門店共同警備区域の下士官、兵士が実際に北側の警備と幾度も会合し、プレゼントまで交換していたという事件が発生してたため、俄然注目をあびることになった

とのことである。いうなれば、あんまりよく考えない人間の思いつき(友人の兵士との会話でそんな噂が出たというきっかけはあったにしても)が棚ボタ式に脚光をあびることになったってことなんである。
その訳者あとがきで紹介されてる『JSA』を監督したパク・チャヌクのことば

原作の骨格だけ借りてあとは全部捨てたと考えていたが、できあがってみると原作から大きくはみ出すことができないことがわかった

の後半はおそらく原作者への社交辞令ではないかと思う。でなければ、この小説の前半部分の全てともいえる、ベルサミが共産主義社会主義をクソだと思ってるけど愛読書が『ゲバラ日記』なんてエピソードや、両親や嫁との身の上話なんてのをばっさりカットして、名前どころか性別までも変更してイ・ヨンエに演じさせるなんてことはしないわな。


それはそうと、銃器専門家勝谷誠彦が「9口径の銃じゃ人は殺せない」といって笑いをとったことでも記憶に新しい(くもないか)の「Texas Tech Massacure」の際に

のことはしきりと話題になってたけど、この原作のことはさほど話題に登らなかったような気がするんだけど(僕が知らないだけなのかも)、物語の中核を担うガンマニアの兵士の会話でグロッグが登場するんだよね。別に犯人の動機やなんかがこの本にあるって言いたいんじゃないんだけど、たぶんあの時点でこの本のことをみんなすっかり忘れていたか、僕のように読んでなかったんだろうなぁと思った次第。

ない

で、細かいこと確認しようと、映画見ようと思って、VHS箱を探したんだけどない。
棚にもない。
なんかレンタルするのはシャクな気がする。