異人たちの水道橋・マラン出身の女
病院の待合室で次の人を呼ぶ声「岡部さん、岡部広子さん」に、人目をさけるように診察や会計に向かう優香なんてもんを遭遇すると、ちょっと驚くと思う。それが「名倉満里奈」や「野口奈奈子」でも驚くはず。まあそんなとこには通わないのかもしんないけど。
じゃあ、デブラ・アン・ミセリだったら?どう?
『レスラー』でも心臓がイカレたランディの本当の名字が明らかになるのも病院だった。それは『ミリオン・ダラー・ベイビー』のマギーもそう、病院では普通芸名もリングネームも通用しないから。
そう、デブラ・ミセリは『レスラー』+『MDB』ってこって女子プロレスラー。アメプロファンにとっては彼女はアランドラ・ブレイズだろうが、僕にとってはメデゥーサである。
井田真木子の名著
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思わず涙が零れ落ちそうになる・・・といいたいとこだが、これかなりギミックやホラやなんやらかんやらが含まれているのだ。
そもそも彼女の出生地はイタリアのミラノ。ひとまず97年(『伝説』が出てから7年)の時点でそのギミックはとんでるようで。『レディゴン特別編集1997女子プロレススーパーカタログ』では「マラン」となってる。これたぶんミラノの英語表記Milanを写し間違えたんだろう。エリアAが日本で有名になって大分経ってたと思うんだけど。
そんで複雑な家庭環境で育ったんは本当のことようななんだけど、『伝説』で語られるような屈託みたいなもんとは無縁のようで、ロッシー小川の『やっぱり全女がイチバーン!』で、久しぶりの再会に挨拶もそこそこに
「また日本で写真集出したいわねぇ。何かいいアイディアない?」
「今、日本はね、ヘアー写真集ってのが当たり前になっているんだよ」
「え、ヘアー?どれだけ露出するのよ?」
「全部だよ。井上貴子だって、ヘアーじゃないけど、これだけ見せちゃったんだよ」
「(写真集を見ながら)そうねぇ…これだったら、やってもいいな。ヘアーだってOKだわ。ただし、アランドラの名前はダメ。これはWWFが商標登録してる名前だから。メデゥーサの名前だったら、いつでもOK!」
てなやりとりが披露されている。これ読むと事業が上手くいくためなら絶対そこらへんのオヤジの一人や二人うまーく転がしてそうだよなぁ、若いころから、なんて思ってしまう。
いや、ほんと神取忍と天田麗文といっしょに、悲劇のヒロインに仕立て上げた井田真木子の構成力・筆力恐るべし。
※今日の画像は
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とは狼倫と脇形のセリフがいれかえてあって、浪倫側人(高田延彦ファン)がダイナマイト関西に、脇形恵(藤原喜明ファン)が神取忍に肩入れするというすっきりする修正がなされている。