その中の一本

昨日の続き。
その中から一本ずつセレクト。

  • 『朝鮮・韓国を知る本』

「日本と朝鮮の二千年 学校で教わらなかった日朝関係史を学びなおそう」金容権
特に「遣渤海使遣新羅使を知ってるか?」は目鱗。遣唐使の9回に対して、新羅には25回(日本への使いは47回)、渤海には13回(同36回)の使者が送られてるのだとか。

  • 『保守反動思想家に学ぶ本』

「保守思想家之閻魔帳」三上治呉智英、桂秀実、高橋順一
36人の「保守思想家」を「学ぶべき点」「左翼経験」「キャッチフレーズ」などによって紹介。
西部邁の学ぶべき点が"「大衆」への懐疑"で、キャッチフレーズが"知識人の倫理を死守せよ"ってのが今は昔という気が。その点渡部昇一の"恐れを知らぬトラブルメーカー"と"忠犬保守公"は変わらぬ芸風…あ、狂犬か。

  • 『映画の見方が変わる本』

ジョン・ベルーシエスニック魂を見逃すな」馬場キャロル
『映画宝島 異人たちのハリウッド』に繋がるテーマ。当初知的でリベラルな芸風(ユダヤ人メンバーも多かった)であったセカンド・シティにお下劣パワーを持ち込んだ彼の源をその民族性に読み解く試み。

「『殺しの軍団』在日朝鮮人映画の突破口」黄民基、「デ・パルマはなぜ「覗く」のか!?」三留まゆみ、「トビー・フーパーを弁護できるか」黒沢清は以前取り上げたのでこれ。

「僕と右翼とプロレスおたく」岩上安身
Mくんの事件で売れに売れた本のきっかけとなった人のレポート。

<右翼の現在>について書いた私の文章を読んで、版元の編集部に彼が電話をかけてきたのが、知り合うそもそものきっかけだった。電話の用件は、あいにくと著者への激励ではなく、激烈な抗議だった。電話を受け、彼と会った担当編集者によればBの剣幕は大変なものだったらしい

サブカルチャー世界遺産 (SPA!BOOKS)

サブカルチャー世界遺産 (SPA!BOOKS)

町山智浩インタビュー参照。

  • 『プロレスに捧げるバラード』

「ラッキー・ボーイ・ブルース 小人プロレスの黄昏」高部雨市
タイトル横の「「差別反対」という口実のもとに、市民社会は小人たちの自己表現の場を奪っていった」って文だけ読んでも哀しみが伝わってくるような気がする。ああやだね「良識派」とかいうの。
が、原因はそれだけでなく、ビューティーやクラッシュ時代の「少女」に全く受けなかったのも大きかったそうだ。
あとは「幻の三ノ瀬マッチ」黄民基

  • 『江戸の真実 誰も挑まなかった近世に本のわかり方』

「三行半の真相 江戸の女は泣く泣く離縁されたのか」高木侃

三くだり半と縁切寺 江戸の離婚を読みなおす (講談社現代新書)

三くだり半と縁切寺 江戸の離婚を読みなおす (講談社現代新書)

アマゾンでのm_nozaさんのレビュー

今でいうDVなどは完全に離婚の正当な理由であり、時代劇がいかに江戸時代の日本観を歪めているかが分かる。

に☆。
あ、あとアマゾンといえば

を検索しようとすると「逆説の日本史ですか?」って出すの何なんだ。バカにしてんのか?まあ悪書は良書を駆逐するってことだろうけど。

  • 『オウムという悪夢』

「すべては『ノストラダムスの大予言』から始まった」宮崎哲弥
この文章の時点で哲ちゃんが日本を代表する電波芸者になるなんて予想した人が何人いるんだろう。
他にも大泉実成切通理作、岩上安見、宮台真司呉智英vs島田裕巳(対談)、小林よしのりvsテリー伊藤(対談)と錚々たるメンバー。

  • 『ヤクザという生き方 日本黒社会

「私が愛したプータ(売春婦)たち」出町柳

日本政府がやっている政府経済開発援助(ODA)なんて、何千億、何兆円と税金を注ぎ込んでも、現地の政府高官や日本のゼネコンに吸い取られるだけで、末端の貧しい人たちにはなんの寄与もしていない。その点、日本で出稼ぎして送金された金は、確実に彼らの生活を向上させる

著者は売春を勧めてる訳でも認めてる訳でもない、念のため。

  • 『ザ・マンガ家 旬のマンガ家100人の素顔にせまる』

「必死のリハビリ生活を続ける岡崎京子のこと」老子いづ美
この本の発行日は1998年11月2日。

  • 『1970年大百科』

「ニッポン若者紳士録」に見る、70年版・個性的自己主張若者伝。」
天野圭子(トイレ研究家)、伊藤仁康(音楽プロデューサー)、岩田薫(ミニコミ発行)、内海仁司(ロック魔法家)、川久保玲(スタイリスト)、鏡正孝(革命志望)、クニ・河内(作曲家・歌手)、佐々木正志(自然農法研究家)、鈴木いづみ(小説家)、末永蒼生(色彩心理学者)、外波山文明(役者)、中村治雄(作曲家)、福田やよひ(ポルノ扇動家)、松山猛(作詞家)、矢沢永吉(ロックミュージシャン)、れおん(ボヘミアン)。

「最後の微笑みは心の真剣勝負」田中幸彦
「俺が愛した天田麗文」杉作J太郎

プロレス少女伝説 (文春文庫)

プロレス少女伝説 (文春文庫)

  • 『映画宝島 地獄のハリウッド』

「神経衰弱ギリギリの役者たち」フェビュラス・バーカー・ボーイズ
FBB結成。

ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判 3 (映画秘宝COLLECTION 37)

ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判 3 (映画秘宝COLLECTION 37)

  • 『愚連隊伝説 彼らは恐竜のように消えた!』

「コラム異名列伝」「女愚連隊」
映画OVの主役級の人々の武勇伝の数々の中でもよい休憩タイム。
虎造、メリケン武、ハヤブサのケン、カッパの松、爆弾マッチ、硫酸ポチ、三丁拳銃の六、ジャズのお勝、赤毛のジミー、まむしのお高。

  • 『逆転の日本史 戦国合戦はこうだった』

藤本正行の単著なんで特に選ばす。

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)