“あいつ今まで一番綺麗でした”を観にいこう

もちろん、エンターテイメントとしての満足度は高い。しかし、それだけでなく郊外を描くことに長けたクライム小説家による東京論という読み方を可能にさせる作品でもある。小説をほめる言葉としては微妙かもしれないが、優れた映像作家による映像化が楽しみだ。
【A面】犬にかぶらせろ!: 『東京デッドクルージング』東京論としてのノワール小説

「映像化」が必ずしも「映画化」を意味していないんだろうけど、そこはひとまずおいといて。


この文章を読んで(いや、あの本をか)、誰もが映画『東京デッドクルージング』の俺スタッフ表・キャスト表を想像したはず。中にはいちはやく衣装香盤まで組んじゃいましたという人もいるかもしれない。で、監督候補の中に誰もがある人を思い浮かべたはずである。
著者も『TDC』を紹介する際にことごとくその名前を出し、『映画秘宝』082月号「オールタイム・ベストテン」で生涯の7位にあげている『狂い咲きサンダーロード』の石井聰亙監督*1である。

そんでもって、その『狂い咲きサンダーロード』で仁さんを演じた山田辰夫の出演作が今週末公開される。
お悩み別コエンザイムQ10の摂り方でオススメな方法は?
高校時代運動会の出し物で「ZOKKON 命(LOVE)」と「Hey! Bep-pin」の振りを完コピしたり、最後に定価で買った8cmCDが「MajiでKoiする5秒前*2というような僕なんだけど、最初この映画のハナシをどっかのWEBで読んだときはちっとも見たいと思わなかったんだけど、劇場で予告編を見た時気が変わった。

1分07秒あたりから始まる「あいつ今まで一番綺麗でした」に、だ。
まあ、確かにそこに仁さんの面影はない。
ただ、僕には『沙耶のいる透視図』で今まで世話になってた神崎とビニ本業界を棄てて、CMカメラマンに転進をはかる島みつるや、東海テレビ「はるちゃん」シリーズで翠明を乗っ取ろうと北越グループが送り込んできたのだが、結局は追われることになる和田支配人の姿が透けて見えるのだ。僕にとっての辰夫さんはこっちの方だし。
はるちゃん2@ドラマデータベース

ひとまず舞台が山形県であることはどうでもいい、とにかく僕は辰夫さんのあのセリフを聞くためだけにトリアスに行くだろう。

※あと、赤塚不二夫先生の逝去に「お悔やみ申し上げます」だの「ご冥福をお祈りします」だの言ったり書いたりした人は「下落合焼とりムービー」の「監督」が映画をちっとも撮らなくなったんだから、チーフの滝田洋二郎の監督作でおくるってのもありかもしれない。

*1:登場人物ヤン・ジュノからポン・ジュノという連想もあったとおもう。ちなみに『殺人の追憶』はベストの8位

*2:最初は渡辺満里奈「大好きなシャツ」