風光明媚2作

シネリーブル博多駅で『ブロークバック・マウンテン』と『幻の湖』の2本立て(個人的に)
まあどっちも風景は美しかったね。

Good(&Bad) Aging Movie

http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/top.html
しかしなんだ、この実景の美しさは。何だか今までTVで見てきた映画やドラマの「アメリカ」の風景ではないか。それはまさに町山師父の至言"アメリカはぽつぽつと点在する大都会があるだけでそれ以外は広大なド田舎」のド田舎が1963年から現在までほとんど変わんない姿を持っていることを映し出している。
山々もどっかくすぶった「マカロニ」ではない瑞々しい西部劇な画だったし、積もった雪をそりで滑るシーンなんかも"どっかで観た感"満載だった。これはそのままリー監督のアメリカ映画への憧憬なんだろう。
しかし、そんな変わらぬ風景の中で人は否応なしに年をとっていく。ついこの間生まれたと思っていた、ピーピー泣いていた娘がどっかの馬の骨と結婚するなんてまであっという間なのである。
そんな変わっていく登場人物の中あまり変わらない人がいる。ま、出来上がっちゃっている農業機械成金はともかくアルマ(sr)の不変ぶりはすごい。確かにおぼこから妻、母とその役割は変わって行ってはいるのだが、容貌がさほど変わらない(ラリーンの激変ぶりと好対照!)のは、彼女が「古き良きアメリカ」を担わせられてるからではないだろうかか。そういえば『大草原の小さな家』や『トム・ソーヤの冒険』に出てくる新教徒の田舎娘の一人には、必ずアルマがいたような気がする。
※そういえばなんかオークラ2で見かけた人がいたような、いなかったような・・・

無駄も積もれば

『幻の湖』
スタッフを見渡せば「黒沢組の」の斉藤孝雄カメラマンや巨匠芥川也寸志なんていうのが非常に美しい実景やBGMを提供しつつ、チャッチィスペースシャトルの模型は中野ハングで有名な中野昭慶だったりとか・・・
その全てが脚本の駄目さと主役のねーちゃんの魅力のなさでホント無駄になっておりまする。
意味ありげに挿入される戦国時代の星野知子関根恵子(現高橋恵子)、大滝秀治なんて別にこれだけTVで放送したら・・・なんて云いたくなる人もいるかもしれないけど、この部分も出鱈目。「串刺し」ってそういう意味では、とかいちいち突っ込むと疲れるだけですね。
しかし、何だろ観客の方々何を期待していたのかほとんどの人が笑わず見てたんだけど、あんたたちゃ何を期待して見に来てたんだ・・・でもクライマックス(と云っていいのよね)のヒューマンチェイスシーンでは流石にこの映画は間違っていると皆さん気付いたみたいで爆笑でした。