その6でもない JICC→太田出版→洋泉社

映画秘宝EX激動!アイドル10年史 (洋泉社MOOK)80年代アイドル カルチャー ガイド (洋泉社MOOK)
ちょっと前に洋泉社というか映画秘宝方面からアイドル関係のムックが続けて出た。
以前僕は、初期秘宝は80年代の、初期QJは70年代の「宝島」のテイストだとか息吹を継承している雑誌だということを書いた、と思う。JICC時代の宝島ってのはアイドルものも強かったわけでアイドル関係の本をガンガン出していた。


『セクシーアイドル解体新書』の巻末広告には

そのシリーズとしていろいろな本が載ってんだけど、このシリーズの極めつけはやはり


NIPPONアイドル探偵団―’88アイドル1000人データ・ブック (宝島コレクション)

アイドルを独自の視点と愛情でランキングした「アイドル探偵団」シリーズではないか、と。ちなみに'88年の順位は

1. 南野陽子
2. 工藤静香
3. 中山美穂
4. 浅香唯
5. 斉藤由貴
6. 小川範子
7. 後藤久美子
101. 矢沢真由美
201. 鳥居かほり
301. 池田裕子
401. 戸村裕子
501. 篠宮とも子
601. J・リン
701. 堤靖子
801. 小川さと美
901. 森下ゆかり
1001. 阿部夏子

となっていて、やはり1001位までランク付けされていることに意味があるんだと思う。面白いことにこのシリーズは「アイドル冬の時代」言われている時代に商業化(それまではミニコミ)を果たしているわけで、逆にこの当時アイドルを愛するものが日陰の身だったらからこその出版だったのではないだろうか。だから2000年代半ばアイドルファン=ドルヲタの存在がそれなりに認められるようになると発行が終わる…あまりにプロユースというか影響力を持ちすぎてしまったためかもしれないけど。
ところで、世間に「おたく」ということばが広がるきっかけの一つである『おたくの本 (別冊宝島 104)』でも「C級アイドルに人生を捧げた聖職者」という濃ゆい人の記事が載っているだけど、その他のハッカー、盗聴、デコチャリロリコンなどと同列に扱われているのである(まああくまで濃ゆい人だけど)。


その意味で今のQJPerfume、AKB48、ももいろクローバーZなどを特集するのを宝島の後継というのはちょっと違うんではないか、と思う。んじゃあ、QJ発のアイドル本で「らしい」のってどれよ?!といわれたらひとまずSKiの会場における"外道"と"愚連"の抗争を軸に当時の「会いにいけるアイドル」の現場で起こっている「トリコじかけの」あれこれ*1を描いた濃密なルポである

を押す。




それはそうと、公開間近の映画『渇き』の原作者の深町秋生先生が『AKB推し!』で「どれだけ毒を吐こうが、けっきょくのところ、人の良さというものがにじみ出ていて、微笑ましい」と推した宮崎美穂さん、第6回総選挙ランクイン返り咲きおめでとうございます。



映画秘宝EX激動!アイドル10年史 (洋泉社MOOK)
80年代アイドル カルチャー ガイド (洋泉社MOOK)

C調アイドル大語解―アイドル用語の基礎知識 (宝島コレクション)
ウワサを追いこせ!―未確認アイドル流言報告(チクリ) (宝島コレクション)
超B級アイドル解体新書 (宝島Collection)
セクシー・アイドル解体新書(ターヘルオナトミア)―極私的ティッシュアイドル20年史 (宝島コレクション)

*1:金井覚がオマージュを捧げている一冊に『因果鉄道の旅』を上げている