なんで『怪獣使いと少年』は中古価格が高騰することがあるの?

あえて、帰ってきたウルトラマンの傑作回「怪獣使いと少年」のことはおいといて…


今アマゾンで単行本が¥2700〜、文庫本がが¥445〜、んでヤフオクで単行本が¥1500と¥3000、でもって日本の古本屋でも単行本が¥1080で文庫が¥900と落ち着いている、切通理作著『怪獣使いと少年はときおりとんでもない高値-それこそ3万円とかが付いていることがある。
 この本は

テープ数十本分にもなる膨大なインタビューを、僕はどこに発表するともなく書きためるしかなかった。<ウルトラマン>などという、名前は有名でも論ずる価値があるなんてことはないものの、それもシナリオ作家のことを持ち込んだとしても相手にしてくれる出版社があるとは思えなかった
(単行本 あとがき P317)

と著者が書いてるように、発表当時は本人も需要があると思えなかった内容のもんである。
だがしかし、『映画宝島 異人たちのハリウッド』に「ウルトラマン在日朝鮮人」を発表すると大反響を呼び*1、その勢いでまるまる一冊「怪獣」がテーマとなった中で「ウルトラマンにとって「正義」とは何か?」が掲載、その次の号では連載コラム*2に「怪獣使いと少年」のタイトルがつき、そこでこの本の発売が予告されていて、そんなこんなが一冊にまとまることになって晴れて世にでたわけである。


んで、当時当然買った僕なんだけど、二度と行きたくもないあそこかあそこに置いてきてきてしまい、それからはこの本に興味を失っていた。ところがあれやこれやで数年前にほしくなったんだけど、たまたまなのか僕が検索したら買うのをためらうような値段のものしかなくって二の足を踏んでいたんだけども…現実の新古書店古書店では殆ど見なかったし、見つけたら見つけで似たような価格だったんでしようがないなぁなんて諦めていたところ、つい最近お手頃なもんをポチることができた。けっこうかかったぞ、たぶん。
そう、怪獣・特撮の研究所としての重要性は間違いなしの『怪獣使いと少年』だから、必要に迫られる人や読みたい衝動に駆られるがいることでだろう。そんな欲求をレーダーだか触覚で感じ取った売主が価格を押し上げたとしてもしかたがないと思う。



でも、だったらなんで復刊しないだろ。リクエストもでてないし。



怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち (宝島社文庫)

怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち (宝島社文庫)

害獣学・入門! 映画宝島

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*1:読者の皆様から寄せられた感想のなかで、もっとも評価をあつめた記事だった[怪獣学・入門 編集後記]

*2:第2回はあったのかな?