「歌で元気を」ってーならこんくらい

「オレ(あたし)の歌で少しでも元気になってくれば」なんてほざくヤツが大嫌いな僕だけど、これは認める。

兵隊さんたちが大陸や南方から復員してかえってくるのを、見た人は多いと思います。みな疲れて、やせて、元気もなくて、いかにも気の毒な様子です。中には病院になって、蝋のような顔色をして、担架にかつがれている人もあります。
こうした兵隊さんの中で、大変元気よくかえってきた一隊がありました。みないつも合唱しています。


ビルマの竪琴 (1959年) (新潮文庫)

ビルマの竪琴 (1959年) (新潮文庫)

の冒頭だ。
「兵隊さんたちが〜」は1947(昭和22)年に「赤とんぼ」という童話雑誌という掲載誌の読者にとって、とんでもなくリアルだったはずだろう。