ハルキ映画作家の非ハルキテレビ局映画ジャケ

それにしても出てこないときには出てこないというか、ぶち当たらないというかな映画ジャケ文庫。出会う時は連続するようで。


11月9日の「角川文庫の時代」の作家で、速水さんがリストアップしてない作家で「ハルキ映画」の原作を2作品以上書いているのは、早田理、つかこうへい、北方謙三鎌田敏夫である。この中で速水さんの作家のセレクトする理由

コンテンポラリーでライトな作品を選んで読んでいた。人気が高かった阿刀田高が抜けているのは、大人の香りがするものを避けていたから

で説明がつかないのは早田理。これは趣味じゃなかったんだろう。んで、大薮春彦が「ライト」かどうか意見が分かれるところだろうが、そこは「中学生男子の願望のすべて」ってことで説明可能だと思われる。そんで、つかと北方はひとまず「大人」な作家ってことでいいとする。
で、鎌田敏夫はどうなんだろう。たしかにハルキ映画においての彼の貢献度は非常に高い*1。脚本家として『戦国自衛隊』『探偵物語』(ひろ子優作版)『天と地と』の他、原作者として『里見八犬伝』『恋物語』を執筆している。しかし、やはり鎌田敏夫の代表的な仕事といえばテレビの連続ドラマ「俺たち」シリーズや「男女」シリーズの脚本といって差し支えないだろう。で、このころの鎌田といえば「大人臭」以上に思いっきり「バブル臭」を発散させていたから、速水さんが敬遠するのも無理はないと思う。
そんな鎌田の映画ジャケが


恋しくて (角川文庫)

恋しくて (角川文庫)

である。『恋しくて』というタイトルではピンとこない人が多いと思う。そう

さんま・しのぶがクランクアップ後に結婚を発表した『いこかもどろか』*2の原作で、公開時速水さんは中学3年生。
この作品、実際はどうだったかは知らないが、いろいろ妄想が膨らむ作品である。そう、ハルキとの関係がどうだったかという点で。鎌田敏夫原作・脚本で、製作協力はハルキ映画のハードボイルド・ミステリー部門を支えたセントラル・アーツである。ハルキがなんらかのアクションを起こし、いっちょがみしたいと思ったとしてもおかしくはないはずである。なんせこの年ハルキは実写映画を2本しか製作していないのである*3。でも、もしそうだとしてもTBSがそれを拒んだに違いないのである。思い起こせば知世ちゃんがフジテレビで『セーラー服と機関銃』『ねらわれた学園』で大旋風を巻き起こしたにも関わらず、TBSの典子さん『探偵物語』はさして大きな話題にならなかった。加えて鎌田原作の『恋物語』のあれやこれやもあって、『復活の日』という大ヒット作品はあるものの、それ以外であんまりハルキに美味しい思いをさせてもらってないはずである(ハルキ映画のテレビ放映局を調べたらもっとはっきりしたことがわかるかもしんない)から・・・。


文庫一冊でこんなに楽しめる僕はシアワセものである。