「日本一の少年誌!!」のものすごさ

鴨川つばめの単行本未収録の大傑作「呪われた夜」「激殺!福岡拳」掲載号

に続いて「マカロニほうれん荘」の連載開始号を手に入れた。

ヘッドライナー+オールカラー16頁という、デビュー三年目の若手としては破格といってもいいくらい非常に華々しいスタートをきっていたというのが分って、それはそれで嬉しい。


たーだ、この「日本一の少年誌」の77年21号は、鴨川の歴史的傑作の新連載が霞んでしまうほどに他にもいろいろ凄いのが満載している号なのである。
表紙をめくると最初に目に飛び込んでくるのは山本由香利のグラビア。

まあ、これは今の少年誌でも見慣れた構成である。で、なぜ彼女が巻頭グラビアに起用されたのかというと、監督・鈴木則文、主演・橋本三智弘のGW映画『ドカベン』に朝比奈麗子(!)で出演しているからである。巻末には

「キミのGWは「ドカベン」「恐竜」でガッツ!」という全くもって意味不明なコピーで『ドカベン』『恐竜・怪鳥の伝説』(監督・倉田準二、主演・渡瀬恒彦)*1 の広告にも登場している。ちかごろ映画館での「おたく割引」とか「ビッチ割引」なんてのが話題になってるけど、この時も野球帽割引なんてのを実施して、

今とは比べもんにならない小学生男子の野球帽着用率は高かったんで、宣伝効果はそれなりに高かったはずである。
いや、こんなんをすごいといってるのではない。今でも連載作品原作映画の公開にあわせての広告・グラビア展開なんてやってる少年誌はあるのだから。


この号のホントのすごさは芸能欄「チャンピオンズレーダー」。なんせ


「恋も知らないテレサ・テン
「先にお嫁にいく海原千里の喜び」

である。なんとテレサ・テンと海原千里(現上沼恵美子)だぞ。どっちも当時は22歳で、今年だったらジュンジュン(モーニング娘。)や大島優子小嶋陽菜(AKB48)、重盛さと美(めちゃイケ新メンバー)などと同い年であるとはいえ、今の感覚ではプラス10以上の味わいのある二人が取り上げらているのだ。例えば今の少年誌に「くわばたりえ出産」とか「林あさ美の気になる恋のお相手」なんてのが載ってるいえばこの違和感をわかってくれるだろうか。「激殺!福岡拳」掲載号のグラビアが「津輕海峡冬景色」の石川さゆりだったのもあわせて、当時の少年って今に比べてずっとアダルティだったんだなぁ。
ほんというと、その週の目玉は「元高3トリオ解散・卒業、そして海外旅行の三人娘」てんで山口百恵桜田淳子なんだけどね。

*1: