Kは虚飾のK?

G-Schmitt『Struggle To Survive』の一曲め「Kの葬列」と同名のコミックスがあると知って買ってきた。
楠本まき『Kの葬列』である。オリコーサンなアンポンタンが阿部嘉昭ファンサイト: 『Kの葬列』の構造(高野 倫亮)で「高偏差値」なんてマヌケなことを言ってるけど、それこそヴェクセルバルグにも、「フールズメイト」「ドールズ」「宝島」「夜想」方面にも言及してない人たちのいう「高偏差値」ってなんなの。なんか最初に螺旋についてガタガタ言ってるけど、あの画って

Swing the Heartache - BBC Sessions (Reis)

Swing the Heartache - BBC Sessions (Reis)

のトレースやんか。つまり触れられてるアーティストがひと世代違ってるわけで。ついでにいうと作品中のKの容姿の説明

肩にかかるくらい黒い髪の・・・
細い神経質そうな顎
端正な顔立ちに
少し皮肉っぽい口元

完全シカトこいてカートだってさ、アホらし。


で、ホントなんだかなぁ、である。松谷創一郎が『サブカルチャー世界遺産』で魚喃キリコ南瓜とマヨネーズ』を評して

登場人物の多くは90年代初頭の「普通」に馴染めず「不思議ちゃん」として青春時代を過ごしたアウトサイダーたちのその後である。そこには自意識に早く目覚めてしまった彼女たちが、20代になって直面する思い現実がただ刻まれている

と述べているんだけど。ナナナンのマンガの登場人物を「不思議ちゃん」で括るのには無理があるかどうかはさておき、この楠本のマンガこそ「現実にちゃんと対峙できずにいる元不思議ちゃん」といっていいような気がする。


・・・と、このようなカリモノのことばでこのマンガを語ろうとする僕自体がその手の呪縛に絡めとられているだろうなぁと。

時の葬列

時の葬列

Kの葬列 第1巻 (マーガレットコミックスワイド版)

Kの葬列 第1巻 (マーガレットコミックスワイド版)

Kの葬列 第2巻 (マーガレットコミックスワイド版)

Kの葬列 第2巻 (マーガレットコミックスワイド版)