タイトルリサイクル

今現在アマゾンにはないし、ヤフオクにもないし、日本の古本屋じゃやたら高くって、マジで100円では買えないのが、JICC発行のムック「この映画を見ろ」シリーズ。
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それにしても、である。僕が知る限りでは、この「このビデオを見ろ」ってタイトルの元ネタに関して、町山智浩師は二回話していて、いっこめは『GOGO!バカ大将』「ファビラス・バーカー・ボーイズが贈るハーポ・マルクス主義宣言」での

ガース (略)例えばアビー・ホフマンとかのシカゴ・セブン。あいつら左翼運動家ってことになってるけど、要するに社会に対してナンセンスな嫌がらせをしてただけでしょう。『この本を盗め!』なんてあったけど、あの本を盗んで誰が得するのよ(笑)。世の中が混乱するだけじゃない。
ウェイン オレ、昔あのタイトルパクって『このビデオを見ろ!』って作ったんだけど誰も気づいてくれなかった。

で、もいっこの『映画欠席裁判2』「小説読んだことも、映画観たこともない人のために『世界の中心で、愛は叫ぶ』はあった!」での

ウェイン これってハーラン・エリスンの『世界の中心で叫んだけもの』だよね?元ネタは。
ガース いや、エリスンは知らなかったみたいよ。『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビ版の最終回のタイトル「世界の中心でアイを叫んだけもの」から取ったつもりだったんだって。エヴァの場合は「愛」じゃなくて「アイ=僕」なんだけど。
ウェイン それって面白いな、オイラが『宝島』編集部に入ったばかりの頃、『このビデオを見ろ!』ってムック作ったんだけど、そのタイトル見て、編集長の関川さんがアビー・ホフマンの「本を盗め!」みたいだな」って喜んだんだけど、オイラは三上寛の『このレコードを盗め!』のつもりだった(笑)。ところが、その後『このビデオを見ろ!』のタイトルをマネて『このミステリがすごい!』だの『この映画がすごい!』だのが出ちゃうんだから笑うよ。
ガース アビー・ホフマンとはもう何の関係もない伝言ゲームになってる(笑)。

と、前者では意識的に拝借したように感じられるんだけど、後者では関川編集長がそう思ったといった感じで微妙に違ってるような気がする。
別にどっちでもいいんだけど。

この本を盗め (1972年)

この本を盗め (1972年)


それはそうと「すごい!」に関しては洋泉社というか『秘宝』は

実録 この殺人はすごい! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

実録 この殺人はすごい! (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)

で有効に再利用してる。
ついでにいうと「切株映画」の「世界」と「逆襲」は
ショック! 残酷! 切株映画の逆襲

ショック! 残酷! 切株映画の逆襲

当然『トンデモ本の世界』『逆襲』のリサイクル。


うーーん、どこなくエコだ。

*1:92年13刷の『1980年大百科』の巻末広告