あなたもVIRGIN、わたしもVIRGIN、

月刊カドカワ」90年8月号での「本人自身による全作品解説」によれば

白夜書房はこの本を電話一本よこさず絶版にして、夢の島送りにしてしまった

という

バージン (白夜コミックス)

バージン (白夜コミックス)

(帯付良品)を入手。
岡崎京子の「処女作」であるが、タイトルにそのよーな意味はなく、タイトルはブックデザインの澤田としきとの打ち合わせの席で「バージン・レーベル」が二人とも好きだったって話がでたかららしい(カワデPC版あとがきより)。
そんで、tachさんのサイト「岡崎京子 あるいは、愛と資本主義」の引用・言及事例集でも、その影響の度合いの大きさがわかる戸川純(発売後のインタビューでも言及*1があったり、妹の京子さん―岡崎のフェイバリットムービーが『星くず兄弟の伝説』だったり、「BSマンガ夜話」のゲストだったり―を含めてなんか関係の深そうな)の

をふと思い出してしまったんだけど、この曲はアルバム
昭和享年

昭和享年

に収めてある(先行シングル)ことからも判るとおり、この単行本の発売より後なんで、この曲がこの本になんらかの影響を与えたということはないんだけど、『東京ガールズブラボー』のサカエちゃん、『ハッピィ・ハウス』のるみちゃんなどの岡崎作品での輝かしいバージンの活躍を見るに、なんかありそうなきもしないでもない。


ちなみに英語の“virgin”は♀にも♂にも使える単語だということは

の原題でも判るんだけど、その意味でこの本を買っちゃうような男は、上の『月刊カドカワ』での後に続く文章

たぶんそんなに売れなかったから、これ持ってる人は珍しいですね。持ってる人がいたら、男の子だったら一回ぐらいデートしてもいいな…

という岡崎の言葉を信じちゃうようなうぶな(『TGB』ののび太くんみたいな)DT臭を発散させてるんだろうなぁ、我ながらちょっと恥ずかしくなってきた、のである。

岡崎京子―総特集 (KAWADE夢ムック)

岡崎京子―総特集 (KAWADE夢ムック)