あれもこれも「宝島的」?

香椎の古本市で『別冊宝島25 レトリックの本』『同71 わかりたいあなたのための現代美術・入門』と「宝島」85年1月号を*1
別冊宝島はいずれ読むとして、まずは「21世紀エイジのニュー・マガジン」の方をぺあらぺらめくって、ひとまず「新作ゴジラの見所は」ってのは、「105円で集める町山智浩」で挙げた『ニューウェイブ世代のゴジラ宣言』の発売に合わせた記事だなぁとか、いしかわじゅん「パンクドラゴン」がリニューアルで1頁になってたりとか、ロングインタビューが忌野清志郎だったりとかを確認。
そんで、手がパタッと止まったのが山崎浩一「なぜなにキーワード図鑑」で、今回のお題はずばり「宝島」。もちろんあれやこれやの宝島ではなくって、「コロコロ変わってばっかり」のこの雑誌についてである。
それにしても、わずか11年の間に

【1】誌名が1回変わった。*2
【2】版元が1回変わった。*3
【3】版型が3回変わった。
【4】定価が3回変わった。
【5】編集長が9回変わった。*4
【6】編集方針が283回変わった。
【7】発行部数が106回変わった。

というのは(6と7は本当かどうか判らんけど)変わりすぎである。でも、その後の「バンドブームに同調したような日本のロック雑誌」やら「テレクラ広告とヌードグラビアに溢れた雑誌」への変更に比べればまあ「(サブ)カルチャー」内の「変わった」なのかなぁ、と。
だから町山師はグリーンデイ「21世紀のブレイクダウン」と根本敬 - 映画評論家町山智浩アメリカ日記

キヨシローがお隠れになったとき、彼が宝島編集部の関川さんにたしか電話で相談してたことを思い出した。
60年代や70年代のロックを日本語のメッセージソングにしたいんだけど、どの歌がいいだろう、ということだった。
で、ゴールデンウィーク明け、今の宝島でキヨシローはどんな感じで扱われてるのかと思ってネットで調べたら、田母神と櫻井よしこが戦意高揚してる雑誌になってたわけ。
ここまで変わるなんて……。

なっておっしゃってますけど、案外これもある意味想定の範囲内のようで、山崎浩一は「答なし」が正解の次のような問題を出してたりする。

【問1】
以下に挙げるものの中で、「宝島」には絶対に載る可能性がないと思われる記事を選べ
(1)明菜全告白!!私の体を通り過ぎて行った男たち!!
(2)入試直前・英語長文読解のポイント!!
(3)春日部モダーンスポット
(4)ミラノ直送、イタカジアイテム図鑑
(5)中曽根ロングインタビュー「私の海軍時代」
(6)「風俗法改悪」で塗り替えられた歌舞伎町新地図!

当時は「ありえへん」なヨタだったんもんだろうけど、なんとなく(2)以外は既にあってそうじゃない。たーだ、この問に続いて「歴史」を振り返った後に述べられる、その時点で山崎さんが考える<<『宝島』的なるもの>>ってものが、それからちょっと後以降の『宝島』にはちーーっとも当てはまるとは思えんものなんで、当の本人にしてもやっぱり「ここまで変わるなんて…」なんだろうけどね。
それでも、今後『宝島』が突然受験誌なるとか、受験対策の記事を掲載するなんて変貌を遂げることはないとは言えないわけで。


さて、ここで問題です。この号の「宝島SEXアンケートプロジェクトC」内「ゲストも回答する」で

女の子の部屋好きですね。本棚に並んでる本とか見て、こーゆーの読んでホロッとしたんだなーとか、そっから前戯始まってる。ドラマがないといやだ

なーんて答えてる現在子供からお年寄りまで超有名な文化人は変わったんでしょうか、それとも変わってないんでしょうか。


なぜなにキーワード図鑑 (新潮文庫)

なぜなにキーワード図鑑 (新潮文庫)

*1:ほかにもいろいろ買ったので、それはおいおい

*2:当初は「ワンダーランド」

*3:当初は晶文社

*4:この号の編集長は下の引用内の関川さん=関川誠