興収についてのあれこれ

古森義久氏、映画評する。 - 黙然日記経由でhttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/110093
やれやれ、である。
たしかに『大いなる陰謀』の興行成績は不振である。
Lions for Lambs (2007) - Financial Information
が、ボックス・オフィスで今年の興収を見渡す(http://www.the-numbers.com/market/2007.php)と、彼の言いぶんがちょっとフェアではないように思える。
今年の上位を並べてみると
スパイダーマン3』
シュレック3』
トランスフォーマー
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
ボーン・アルティメイタム
『300』
レミーのおいしいレストラン』
シンプソンズ MOVIE』
団塊ボーイズ
なんてもんが並んでいて、ドラマというジャンル自体が苦戦している現状があるんである。http://www.the-numbers.com/market/2007/Drama.php
だから、ここでアニメの興収を持ち出すのは如何なもんか、という気がする。
邦画でも『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』『名探偵コナン』なんかと比べられたら、それは違うだろうと言うものだってあるはずで。

そんでもってid:pr3さんが例に出している『キングダム/見えざる敵』はどうかというと、これも製作費$72,500,000に対して、全米成績は$47,467,250に過ぎず、けっしてヒットと手放しで喜べるようなもんではない。ついでにいうと海外の成績は『キングダム』$36,241,606で、『大いなる陰謀』$31,200,000となってるんで、これはこれでなんかいえそうなのかもしれない。ただ、海外ではいまだトム君の威光が強いとかいろんな要素があるかもしれないんで、これはこれで(以下略)

だから、イザブログのhttp://nagumosan.iza.ne.jp/blog/entry/424298/
http://feedback.iza.ne.jp/blog/entry/424270/
http://kanku2007.iza.ne.jp/blog/entry/424249/
は何言ってんだか、である。
だってさ、興収云々いううだったらそこで例に挙げられている

ディアハンター (1979年)

ディアハンター (1979年)

と、数少ない「自虐史観」でないベトナム映画と比べてみればいいのでは。
『デイア・ハンター』(1978)$50,000,000
プラトーン』(1986)$137,963,328   
『グリーン・ベレー』(1986)$21,707,027
それこそ「

ベトナム戦争について「ディア・ハンター」とか「プラトーン」という反戦映画がヒットしたのは「その戦争が終わり、数年が過ぎていたからだ」

だってことじゃん。
ちなみに『プラトーン』に関してはこういう発言がありますよ。

ストーンは言う「この映画で俺はミライの虐殺がなぜ起こったのかを見せたかった」
〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)

ただ、これ出典が不明なんでこういうときに持ち出すのは適切じゃないかもしれない。