全読者に対する裏切りになると!

ワッシュさん愛は心の仕事です - 男の魂に火をつけろ!のコメント欄で出てきた「未亡人下宿」なんですけど、細かいこというと山本晋也監督の『未亡人下宿』はロマンポルノでなくて、ピンクですね。その後日活で配給されてはいるようですけど、起源というなら、という話です。
そりゃ、まあ「未亡人」「下宿」というだけなら『http://www.jmdb.ne.jp/1955/ce003050.htm』の方が先ですけど、まあ全然違う話なんで。
そんでもって日本文学、日本映画に「下宿もの」のルーツってもんがないかなぁと検索していたら、ルーツとか全然関係なくhttp://mangakyou.exblog.jp/1370813/の"『男おいどん』の実写化の話"に眼が止まりまして、慌てて『万有ビンボー漫画大系―四畳半という楽園』を引っ張りだしてきて該当箇所を読んでみました。

大泉 『男おいどん』の映画化の話があって・・・
松本 ありましたよ、郷ひろみ主演でね。
大泉 ははははは。
松本 郷ひろみと聞いた瞬間にね、郷ひろみに何の恨みもないけれど、これは全読者に対する裏切りになると。彼とは対極的な男を描いてるわけでしょ。ここで郷ひろみでやっちゃったら読んでくれた人に申し訳が立たんと。

いやー、永井豪ちゃん先生のアレの場合は「主役がどうだ」ってなレベルの話ではないし、『ミソクロ』の伊勢谷んの場合は読者の多くが(以下12文字伏字)ですが、この志の高さは涙が出てきました。
さらに注が泣かせます。

『元祖四畳半大物語』の方はにっかつで実写映画になった(1980、監督・曽根中生)マンガとそっくりのそっくりの早稲田の学生をどこからか見つけてきて主役にしている。

元祖 大四畳半大物語 [DVD]

元祖 大四畳半大物語 [DVD]

どうもこの『Œ³‘c‘åŽlô”¼‘啨Œê』(併映は石田純一主演『“S‹R•ºA’µ‚ñ‚¾』)もロマンポルノではないようで、『官能のプログラム・ピクチュア―ロマン・ポルノ1971ー1982全映画 (ブック・シネマテーク 6)』でもこの2週間がぽかっと抜けております*1―ちなみにその前の番組には風祭ゆき『赤い通り雨』がありまして、脚本を那須マチコ先生がお書きになって下ります。その次の番組にはにっかつピンキーバイオレンス『スケバンマフィア・恥辱』が入っております。

この時点で「下宿もの」のルーツ探しはどっかに行きそうになってたんですが、『ビンボー漫画大系』第2章「ビンボー漫画の系譜(クロニクル)」竹熊健太郎で、戦後初のビンボー漫画として『ヤネウラ3ちゃん』が紹介されいて、竹熊氏はこの漫画が完璧に「ビンボー漫画」の要素を満たしているとして、次の三つの要素をあげています。

「素性の知れぬ若い独身男が主人公」「都会の粗末な安下宿」「恋を予感させるマドンナの存在」

おっ!


で、この辺まで考えてたら、図書館で借りてる本の返却期限だ!ということ思い出したんで、ついでにブクマに寄ってこようということになりまして、そこで思わず手にとってしまったのが

BSマンガ夜話―ニューウェーブセレクション

BSマンガ夜話―ニューウェーブセレクション

デビルマン論

デビルマン論

・・・やれやれ、実写化されたのが3作品・・・で、『童夢』の話はどうなったやら(http://www.imdb.com/name/nm0868219/) *2


あれ、「下宿もの」は?。


そいうえば、エリカ・チータムもボストンのスポーツ(BS1で相次いでセルティックス、パッツの試合が放送された)の話もあったなぁ。

*1:http://www.jmdb.ne.jp/1980/a1980.htm

*2:『ゲリラ』の方は撮影中。