リンジー・ローハン斧とって

http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20071027/1193459804

すごいけど変な人×13

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映画秘宝 エド・ウッドとサイテー映画の世界

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のことが話題になってます。
まあ、そもそも
エド・ウッド [DVD]

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Ed Wood (1994) - IMDbが(日本公開は翌年の95年に世に出てますんで、01年はあんまりといえばあんまり。バートンとデップなのに、という気がします。
そういえばProdigal_Sonがあげてらっしゃる柳下毅一郎町山智浩江戸木純のうちガース先生とはこういうやり取りもありましたね。

『裏モノの神様』(唐沢俊一 イースト・プレス)届く。P.199より

送ってもらった柳下毅一郎氏の鬼畜映画エッセイ『愛は死より冷たい』……書き込まれている材料は無茶苦茶にいいくせに、文章が相変わらず下手なので、読後の満足感は、イマイチ。

 引用部分のあとを読むかぎり、まあ悪意はないんだろう。だが、悪意がなけりゃ何を言っても許されると思ったらおおまちがいだ。てめえなんぞに上手いの下手のと言われる筋合いはねえよ。おまえ、何様だ? 谷崎か?
 だいたい「鬼畜映画エッセイ」なんて書いてやがる。何も読めてない証拠じゃないか。オレは裏モノとか鬼畜系なんぞと名乗ったことは一度もない。昔からずっと文学者だよ。
http://www.ltokyo.com/yanasita/diary/99122.html

ウェイン町山氏から人ずての人ずてでの話。柳下毅一郎氏が、『裏モノの神様』の後書の件で、とにかく怒り狂っているとのこと。“なぜ俺がアイツに言われなくちゃならないんだ”と言ってるとのこと。・・・・・・おや、ご自分は日記で、佐川一政氏のピクニックのところで、私のことを“佐川氏とケンカするような奴はどんな理由があろうとダメだ”などと書いておられなかったか。“唐沢俊一はシメた方がいいですぜ、村崎さん”などと書いてなかったか。私が本を出すずっと前の話である。なぜ、私が柳下氏にこんなことを言われねばならないのか。そっちの理由をまず、お聞きしたいものである。そう書かれていることは百も承知の上で、私は柳下氏の才能、業績を認めている。そのことは、この日記でも何回か表明している筈だ。ありていに言えば、柳下氏がいなかったら日本という国はずいぶんつまらない国になってしまうだろうとさえ思う。ただ、惜しむらくは文章に一般読者をして惚れ込ませるだけの力がまだない、と言っただけの話である。これは悪口ではあるが、正直な感想である。
唐沢俊一ホームページ :: 日記 :: 2000年 :: 02月 :: 29日(火曜日)

まあ、「引用部分の後」はこんな文章なんで

いや、これは柳下さんの本質というのが本来、こういう悪趣味系じゃなく、実際のところもっと芸術的なものの方に向いてるんじゃないかなぁ、と俺が思っているからなんだが。

ホント悪意はないと思うんですけどね。
ほかの日の日記に才能ある人の得意分野を並べる際に、ガース先生にたいしても

例えば文章のうまさで行けば植木不等式氏とかの方がはるかに私よりうまいし、トンデモを論破する知識に関しては私など山本弘氏や志水一夫氏、永瀬唯氏、皆神龍太郎氏などの足元にも及ばない。情熱と取材力なら串間努氏が独壇場だし、ツッコミの技術にかけては専門家だけあって立川談之助氏にかなわない。オタク系の濃いネタならば中野貴雄氏や眠田直氏の方が数段上だろう。発想と分析力なら岡田斗司夫氏、批評眼の確かさならば柳下毅一郎氏に一歩も二歩も譲る
http://www.tobunken.com/diary/diary20000117000000.html

とちゃんと褒めてるんですよね。しかし、「惜しむらくは文章に一般読者をして惚れ込ませるだけの力がまだない」っては如何でしょう。この当時僕はどちらの文章も好きで読んでいたんだけど、それほどお二人に文章力に差があるとは思ってませんでしたけどね。

も面白く読みましたよ。まあこれは、一般読者ではない僕の感想にすぎませんけど。

でもって、今(の僕が穿った目で)読むと「こういう悪趣味系じゃなく〜」ってのがなんか違った風に読めてしまうんですけどね。

殺人博物館〜リジー・ボーデンという人がいまして、偶然にもお二人とも彼女についての文章をかいてらっしゃる。

こんな猟奇でよかったら―命なくします

こんな猟奇でよかったら―命なくします

第三部◎[第二幕]リジー・ボーデン無罪疑惑
殺人マニア宣言 (ちくま文庫)

殺人マニア宣言 (ちくま文庫)

第1章巡礼の旅 リジー・ボーデン斧とって
これだけ見ると「無罪疑惑」の方が後に見えますが、初出は「あなたの知らない世界」さくら出版2000年10月号です。でも『殺人マニア宣言』は
世界殺人ツアー―殺人現場の誘惑

世界殺人ツアー―殺人現場の誘惑

の文庫化なんでさらに先になります。
ま、切り口が全く違いますし、リジーのことは他の本で既に紹介されてたんで、どっちが先かには意味はないんですけどね。


あ、ちなみに「一歩も二歩も譲る」の後はこう続きます。

と、すると私の本領というのはどこにあるのか。案外、これらの人々のいいところを少しづつ、幕の内弁当のように詰め合わせているので飽きられない、というあたりなのかもしれない。

はい、「一般読者」は飽きてないでしょうね。
http://d.hatena.ne.jp/shidehira/20060612/1150091206