胸を見せなさい!

『嫌われ松子の一生』*1
まあとんでもなく口惜しい映画を作って、反省の態度を示すなら中谷美紀の胸を見せなさい。早く見せなさい。
口惜しいところはたくさんある。例えば光GENJIのエピソードの前に組関係者に大沢樹生がいたらなあとか、ブレイクを予想していた木下ほうかなのだがこの作品もステッピン'ボードにはなんないなぁ、とかである。が、一番の口惜しいはたった『下妻物語』一本観ただけなのに、"中島監督の"なんていう煽り文句にのせられ思いっきり期待してる自分がいて、そのくせ実は心の中では"けっなーんだ。『下妻』はフロックだったわけだ"とか言いたかったのにのに、期待を大きく逸らしながらもっと大きく超えた作品を見せつけられたからに違いない。
思い出した方がいい。僕らは『下妻』公開前、ちーーとも中島哲也に期待なんかしてなかった。それどころか『下妻』自体もなんだか冷やかし半分で観たに過ぎない。そしてぶっ飛んだ。「日本映画」とかいうコマイ領土問題を越え、「映画」としてアリだった。そう、『下妻』は「独りで立ってる」映画だった。そしてその時思った中島哲也てなーすっごい映像作家じゃねーのかって。
たーだ僕個人としては不安がなかったわけではない。『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け [DVD]』に喝采を送った後の落胆を再び感じるのではないかてな懸念を感じていたからだ。そう『下妻』はあれはあれ!それはそれ!なもんだったではないかという・・・
でもって、そんなチンマイ思惑なんか思いっきり爆砕さえれてしもーたとよ。まあ、僕がこの映画にノックアウトされている間に大野城市出身の杉内もKOされているなんていう、まっこと悔しい西手新九郎もあったのだが。柄本明のお父さんは「西鉄ライオンズ」のファンだったかもしれない。ちなみに松子が中州の「トルコ嬢」になった年、「西鉄ライオンズ」は「太平洋クラブライオンズ」となって平和台球場の観客席は淋しさを増して行った。その後「西武ライオンズ」となって福岡を去る年には、松子は塀の向こう側にいたから・・・って全然関係ないね。
関係ないと言えば、BONNIE PINKやAIの歌がきっちりストーリー内の重要なファクターとしてあったのに対し、木村カエラのそれが取って付けたみたいだったのはなんか大人の事情でもあったのだろうか。パンフを覗いて観たが、解らなかった。しかし、観てる最中「荒川と筑後川は似てる」というのに若干の違和感を感じていて、荒川により似てるのは遠賀川ではないかと思っていた。荒川区ってどっか筑豊だし。パンフ9頁の「松子の移動地図」の福岡の位置はそっちに近いんだよなーとかなんとか。
後さあ、例の「晴着の写真」もそうなんだけど、中谷美紀濱田マリ、それと柴咲コウって反則じゃないのかなぁ。松子が足引きずってるのも含めて。ただ反則ってレフリーの5カウント以内は許されるルールだから、プロレスは。中谷美紀はある意味日本のプロレスの母だからいいんやね。

*1:こんな公式サイトもすごい。過去の作品が全部goo映画にリンクしている