でも闘うんだよ

何だか「ベイエリア在住町山日記」からのボヤがくすぶってるような気がします。
まあ真面目にものごとに接するのはよいのですが、深刻すぎるのもどうかと、『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判〈2〉 (映画秘宝COLLECTION)』で柳下毅一郎さんもこう語ってます。

みんな物事を深刻に考えすぎる。たしかにサリンとか拉致とかやったことはひどいけど、動機はオタクの妄想なんだよね。

今回は妄想ではなく「真摯」な提言であるんですけど、個人的には何だか「でもやるんだよ」があまりに崇高な言葉として捉えられすぎてるような気がします。
そもそもこの「でもやるんだよ」というのは、『因果鉄道の旅―根本敬の人間紀行 (ワニの本)』所収の「しおさいの里」のこんな文脈で飛び出た言葉なんですからね。

「(略)でもわざわざこんなの洗剤使ってゴシゴシこする必要ないんだよ。水でちゃっちゃとやっとやりゃ、それでいいんだよ。な、こんな事無駄な事だと思うだろう」
「え、まあ」
「そうだよ。無駄な事なんだよ」
で、次にドスの効いた大きな声で
「でもやるんだよ」
このひと言もこっちに云ったってよりは、てめえに云ったという感じで

そう、こギタネー親父が自分に言い聞かせるようにっていうとこがミソ。だから、これを踏まえての「でもやるんだよ」発言に対して、「安全地帯」がどうのとか「特権化」がこうのだとかなんとかというのは何だかなーというかんじがします。
まあこれもあくまで極々偏狭な私見ですけどね。ちなみにその文章はこう結ばれてます。

もしかしたら、ブラックホールへ突入するドンキホーテかもしれないよ。でも本多さんはとにかく闘ってるんだよ。何と闘ってるかはよく解らないんだけどさ、本多さんにも。
でも闘うんだよ!!それこそが無限の大事業ってもんだよ。

え、いきなり根本敬さんを出すなって。
えーっとこれならどうでしょう。

みうらじゅんさんが「クソゲー」とか「マイブーム」って言葉を作ったのはけっこう有名だけど、根本さんの場合は知らない人が多いね。
「トリコじかけ」(電気グルーブかなんかが使ってた)
「でも、やるんだよ!」(スチャダラかなんかが使ってた)
それに「電波系」なんかは根本さんが最初に使い始めたんだ。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20050518

http://d.hatena.ne.jp/shidehira/19951201#1142068723