心地良さと居心地悪さの同居

のっけの塗装会社のシーンから柴咲コウとともに居心地の悪さを共有した気になる。でもって、「自分と母親を捨てた父親が営むゲイのための老人ホーム」でもその居心地の悪さが続く。とにかく「ここにいた方がいいのか」といった感触が体をもぞもぞさせる。しかし、逃げ出したくなるかというとそうでもない。そんな不思議な感じが最後までずーっと続く。
途中藤井かほり演ずる母親の美しさに目を奪われたりしたり、会社の専務と事務員の描写は尺取過ぎだよなとか思いながら、オダギリジョー柴咲コウの心的に超遠距離なラブシーンにまたしても居心地の悪さが復活。
この心地良さと居心地の悪さの同居という不思議な感覚を観る者の心に放りこみながら映画は結末に向かってゆく。そして意味ありそなラスト。
とにかく、ここまでキッスが特別な意味を持った映画は久しぶりである。というかほとんど記憶の彼方かも。
今は心地良さの余韻に浸っている。
※先週の土曜日のKBCTVの「気ままにLB」で『SHINOBI』に出演しているオダギリ・ジョーのインタビューが放映されたとき、何ゆえすぐ隣りのKBCシネマでやってる『メゾン・ド・ヒミコ』のことは一切触れなかったのかというのが疑問だったのが、ニュースシーンでちょっと氷解。だったらなぜKBCシネマ?
まあ、この番組ったら"『チャリチョコ』の原作は『ハリーポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』に並ぶ子供に大人気な童話"とかいうワケ分らん解説するような映画偏差値の低い番組なんで、そんな大人の事情というより単に知らなかっただけかもしれないけど。
※※客電ついてお客さんを見てみると30人くらいのうち、男は僅か三人。うち一人はカップル。これが居心地の悪さの原因だったのか。コウがおっぱい出してたら、それ目当ての客だらけで違った意味で居心地悪かったと思う。出さなくて大正解。