『水平線上の陰謀』

実をいうとこの映画にある不満があった。というのも『時計じかけ〜』『天国への〜』や『銀翼〜』にあってこの映画にはないものを感じたからだ。
それは「分りやすい」リミットに向かうハラハラドキドキである。上記の作品では画面で誰(当然小学生)にでも分るようにリミットが示され、それに向かう「刻み」が刻々と具体的に描かれ、それが観客にちゃんと伝わるような配慮があった。
が、今回沈没の瞬間が「計算済み」であることが台詞では語られても、実際にいつがリミットなのかが視覚的に提示されてなかったのだ。
けっこうこれは僕としては減点対象。
ただ、小五郎に紛れもない「漢」の「ハートボイルド」を感じた。
本田透には悪いがアニメでも女の愛し方を伝えることだきるんだぜ。