ハルキの企画意図がいろいろすごい

ひさしぶりに角川映画ジャケ文庫を入手。


戦国自衛隊―シナリオ (1979年) (角川文庫)

まあ、これがいろいろすごい。


まずはそのスケジュール進行に驚く。

決定稿が上がる前にインするってーのはまあいいとして、アップから公開までの期間も短すぎる。その間にこの『シナリオ戦国自衛隊』を出してる(発行が11月20日)し。まさに疾風怒濤。


さらにハルキ(角川春樹)の企画意図が何かと味わい深い。

ぼくたちの時代、正月の映画興行といえば東映時代劇だった。それは今だって、ぼくの感覚の中に流れ続けている。正月に時代劇を創ることはプロデューサーとしての夢だったといってもいい。だが、現実の問題として、ぼくたちUFOが翔ぶことを信じ、「アメリカン・グラフィティ」に感動する世代でもあるのだ。ただの時代劇で満足してはいられない。「スター・ウォーズ」がSFの中に時代劇を盛り込んだファンタジーならば、「戦国自衛隊」では時代劇の中にSFを盛りこんだ青春映画を創りたい。


そうか、

天と地と』(主題歌は小室哲哉作)は本当は正月作品にしたかったんだなーとか、『REX』撮影中に「今UFO見えたよな」と言い放って撮影中断の萌芽はこのあたりからだったんだなーとか

ってな部分も充分味わい深いなんだけど、「アメグラ」と「SW」が並んでるのもそうだ。今じゃジョージ・ルーカスが「アメグラ」の監督だったっていうこと知らないSWファンってのも多いだろうね。それはそうと、ひとまずハルキにとってSFは「ついで」だってのも分かったは収穫。当時は原作のキモが外されてるんでなんや、これ?と思ったけど、ちゃんとそれが「意図」ならそれでいいやって思う。『神様のパズル』でも谷村美月のおっぱい(意外に巨乳by三池崇志)が主役だったし。今月の映画秘宝の「縛り首」で処刑されているクソどもが時代劇どころか映画になーーんも思いいれがないのに比べれば断然良いに決まってる。

子供っぽい話だけれど、ぼくは幕の内弁当が大好きだ。だから、映画を創る姿勢も、ラブ・ストーリーあり、チャンバラあり、「宇宙戦艦ヤマト」じゃないけれど近代兵器ありの何でもありの映画を創りたい。

いや、「宇宙戦艦ヤマト」は"近代兵器"じゃないだろ。んで、このころから『男たちの大和/YAMATO』を構想してたのかなー。『男たち』のは「意図」が不明瞭な映画だったよね。あれを反戦映画といわれても―まあ戦争ってみんながハルキとかナガブチなんていうアレな人になる状態っていえばそーなのかもしれない。

野球でいえば、コントロールのいい江川より、制球力のない、デッドボールも辞さない堀内のほうが角川映画に近い。
観客にも、館主の人たちにも、評論家にも、球筋の読めない球を投げたい。そんな映画をこれからも創りたい。ヨロシク。

確かにハルキの球筋を読むのは困難だろうけど、なんで江川と堀内を並列してんだ?