隠し子もの?

やっとこさ

デザイナー (後編) (Queen’s comics premium)

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を入手(海苔ちゃんと待ち合わせのためのギガ天神地下)。
そんでもってその前に「まんだらけ」(また行ってるよ)で買ったMC版と続けて読む。
片や日本を代表するファッション・デザイナーの、もう片方が20年ほど前のトップアイドル女優なんていう自尊心と上昇志向の塊みたいな女性とその隠し子を巡るドラマ。いやー『デザイナー』は
Wの悲劇 [DVD]

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の頃の三田佳子のあて書きかよと思ったんだけど、『デザイナー』は74年の発表。
ま、ひとまずたまたま連続して読んだからそういう印象を持ったんだけで、少女マンガにそんなカテゴリーはないだろうとは思う。それに隠し子だのご落胤だのってのは「一休さん」や藤堂平助の例を出すまでもなくこの国では好まれてきたもんだしね。


それはそれとして、この二つの作品を比べると明らかに作者の立ち位置の違いが読み取れて嬉しくなった。タイトルだけ比べるとすげー大袈裟な方の『東京のカサノバ』があくまで「隠し子」の兄と妹の物語を妹の視点で描いていて、読者が視点を合わせ易く感情移入が容易にしてあるのに対して、『デザイナー』はまさに作者の「ちょっと前のTBS昼の1時魂」を炸裂させたまま読者をドラマの渦に引きずり込んでいく。
そんでもって、フィナーレが『カサノバ』がほほえましい♀♂のはっぴぃえんでぃんぐなのに、『デザイナー』はどろどろの末に♂♂の迷宮愛。

たーまたま続けて読んだもんでこんなことを思ってしまったよ。どっちの先生(作品)にも迷惑な読み方なんだろうーけどさ。


※『東京のカサノバ』で「HONDAVT250」なんてのが、「ちょっと女っぽい単車」として登場させることが出来たのは、『デザイナー』でTOYOTA2000GTをリアルに描いた一条ゆかりの恩恵だとはいえると思う。