あの時もっとこの映画の面白さが解っていたら・・・

晴れ、ときどき殺人 [DVD]

晴れ、ときどき殺人 [DVD]

やはり、これは渡辺典子主演だからこそ成立した映画である。
だって始まって10分主人公が出てこないアイドル映画なんてほかの人じゃ撮れないよね。だって黒澤満+丸山昇一なんだぞ。このタッグで松田優作が最初の10分間でてこないの考えてみればいいよ。
確かに「カラテ」や「自転車飛行機」のシーンはなんだかなぁという気はするし、宇崎竜童が全然ジョルジオ・モルダーのマネできてないのがメチャクチャ惜しいけど、丸山のギャグというよりボケをちりばめた脚本、その意を汲んで外し時はちゃんと外す井筒和幸の演出は良かった。
もう、全員を一同に集めときながら、事件の謎解きにはちーっともならないなんて展開はよく角川映画やったもんだ。それに九十九一をある程度遊ばせたり、いきなり伊武雅刀清水昭博とをいかにも弱そうな喧嘩させたりとか、クレジットに主題歌が流れるバックの映像がストーリーとは無関係でアホだったり。マジで見所が多い映画だった。



特に死んだ母親が大の映画ファン(自分をバーグマンに重ねてる=演じてるのは浅香光代―劇中で「ハンバーグマン」というツッコミあり)でずらっと並んだ映画雑誌のひとつ「映画の友」(映画の友社)の中にぽつんと「主婦の友」(主婦の友社)があって、そこから事件の糸がほどけだすってなシーンにはうなった。だって、この当時の中高校生にとって「映画の友」といえば、映画の友社発行の方ではなく近代映画映画社発行の本屋で堂々と買える数少ないエロ本のひとつで、この映画でいえば浅見美那なんかが載ってる雑誌だったわけで、典子さんがそれをまさぐってるってだけで・・・。

それにしても典子さんったら(ドリー尾崎さんもいってるように)見るたびに微妙に顔が変わりすぎ!
でもどれも好き!!!!