ホールデンの孫たち

エラー|Billboard Live(ビルボードライブ)で行われた試写会でみた『再会の街で』に降参。
そもそも邦題が大きな声では言えない好きな映画『再会の街~ブライトライツ・ビッグシティ~ [VHS]』](原題Bright Lights Big City 主演:マイケル・J・フォックス、脚本:ジェイ・マキナニー)に「で」をつけたもので、主題歌が大きな声で言いまくっている好きな映画『さらば青春の光 スペシャル・エディション [DVD]』のクライマックスで流れるザ・フーの「Love, Reign O'er Me」のパール・ジャムによるカバー

なんて映画(原題REIGN OVER ME)が僕の心を直撃しない訳がない。
マキナニーは「80年代のサリンジャー」なんてキェッチフレーズ(アイドルみたいやね)で日本デビューを飾り、『さらば青春の光』もことあるごとに『ライ麦畑でつかまえて』を引き合いに出されて紹介されてたことを思えば、この映画の登場人物がホールデン三世だらけなのに納得がいくってもんだ。


いや、客席ついたとたん良い予感はしていた。いつもはいるクソジジババ(映画の最中もずっと横のツレと頭悪い会話を普通の音量で続ける)どもの姿がなかったのだ。もっと正直にいうとシネリーブルで予告を見た時からすげー期待していた。でもその期待を妙に膨らませすぎないように事前情報を一切いれずに見にいったら、これが!だった。


オープニングでグレアム・ナッシュの歌声をバックにNYの街なみを電動スクーターでアダム・サンドラーが移動する際に画面に「ブルー・ノート」ののぼりや「マック」の看板が映った時点でKO。ここで試写会を催した朝日新聞広告部偉い!そんでもってドン・チードルの成功者ぶりがひとしきりあっての再会場面。あれはバッファロー・スプリングフィールドの結成伝説にヒントを得ているに違いない。もうたまらん。そんでもってことあるごとに

愛しのキッズ

愛しのキッズ

四重人格

四重人格

のジャケットが画面に効果的に出てきて、その収録曲が流れ、サンドラーの口から「pretend」「who」という単語が印象深く発せられる…どんだけロックへの愛が充満してるんだよ。
でもって「river」がクライマックスで出てくんだよ、風景として。あそこはちょっと『ミュンヘン』と被ってたかも。
いやー、そんでもって俳優が良い!ドン・チードルはこの映画でも生来の子分肌を遺憾なく発揮。彼を救おうというような正義感による積極的関与でなく、ヘタレであるゆえに振りまわされてる間に閉ざされた心をすこしづつ押し広げていくなんてのは彼の真骨頂。絹の靴下履いてそうな美人の奥さん持ちながらも、リブ・タイラー演じる精神科医へちょっかいだしたり、一瞬シャーロット・ランプリング(それも『愛の嵐』や『地獄に落ちた〜』のではなく、若干干からびた漢のある『エンジェル・ハート』あたりの)を感じささせるサフロン・バロウズに翻弄されたりなんてオロオロは、もー。
そういえばリブといえば、実の父はスティーブン・タイラーなのにトッド・ラングレンを父と思って育ったなんていうロックない血筋なんだよなぁ。


いやー、そんなこんなでいつもまにかアダム・サンドラーボブ・ディランに見えてきた。苗字もユダヤ人っぽいし。ユダヤ人の姓名 - Wikipedia

フリーホイーリン・ボブ・ディラン

フリーホイーリン・ボブ・ディラン

ひとまず今年見た新作映画でいちばん好き!

映画 再会の街で - allcinema
Reign Over Me (2007) - IMDb
※そういえばこの映画のサンドラーってば、ゲームとピザ三昧ってどっかで聞いたことあるなーと思って、あんまりこの人が深刻に見えないとこがあった。
これでおニンギョ集めてたりしたら…
※※そういえば、『タワーリング・インフェルノ2』のマックイーン唯一の登場シーンでは確かSONYってロゴがはっきり映ってたような気がするんだが、これ日本ではソニーが配給してんだけど、ipodやらプロジェクターやらでソニーのカゲ薄かった。はまってるゲームが

ワンダと巨像 PlayStation 2 the Best

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だったから良かったものの。