虚実の実は一旦緩急の緩?

ひとまず「虚実」の辞書的な意味。
の意味 - goo国語辞書
ついでに
の意味 - goo国語辞書
さてさて百人斬り裁判について、ふりかえる - 法華狼の日記のコメント欄で話題にのぼっている「虚実」という言葉の遣い方。
僕も群馬県伊勢崎市議会議員伊藤純子:投稿者「十条」さんへの反論で「これらはまったくの虚実だと言い張るおつもりですか?」なんてのを読んだときには大笑いした一人なんだけど(http://d.hatena.ne.jp/atmark-type/20070516)、どうも「虚実」を「虚構」もしくは「虚偽」という意味で使う傾向があるようで。
僕がこういった傾向の「虚実」を初めて目にしたのははてなブックマーク - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - 「ホテル・ルワンダ」と「帰ってきたウルトラマン」での

hatuseno >関東大震災朝鮮人虐殺からもまだ百年経っていない。/ いや、それ虚実だし。

である。まあこの時は「虚と実」という意味でつかってるのかな、とも思ったけども。
全く関係ないけど、ちなみに僕の中で「虚実」という言葉が強く印象に残っってる最初は高校の文学史の授業ではなく、

シリーズ(どれかだと思う)のあとがきで、編集者の「虚実とりまぜた小説を書いてほしい」といった旨のお願いを、豊田有恒が「虚実ではなく虚と神話ならいい」とのことで「ヤマトタケル」を主人公にしたこのシリーズが始まったといったこと書いていたものだと思う・・・ホントに関係ないね。


そんでもって、決定的な影響を及ぼした本でもあるのかなと、アマゾンで「虚実」で書籍検索を行うと

がトップに表示。"はまぞう"のAmazonだと
史記〈3〉独裁の虚実 (徳間文庫)

史記〈3〉独裁の虚実 (徳間文庫)

楽天だとが表示される。軽く2位以下に目を通してもそういったものは見当たらないようだ。「活字」の世界ではまだまだ辞書的意味が主流だということが言えるような気がする。

まあ、"誤用が定着した例もある。何事もバランスでしょ"みたいなことを言う人もいるかもしれないけど。