映画の影響

『アスペクト』アスペクトのPR誌なんだけど、その7−9号に唐沢俊一氏が、昔のことを知れば、"昔はよかった"なんていえないというようなことを書いてる。

じゃ、昔っていつ頃のことか。そう問うと、ほとんどの人が"昭和三十年代"と答える。『東京タワー』とか『ALWAYS 三丁目の夕日』などといった、昭和三十年代を描いた映画に観客が集まるのは、要するに、いま現在に対する不満が、昭和三十年代を理想の時代のように人々に思わせているからだ。
しかし、ホントに昭和三十年代が、そんなに人々がノンキに生きていた時代であるか、というと、ソンナコトハナイ、と、これは自信を持って言えるのである。

そんでもって、当時の新聞や雑誌を読めば、その当時の「今以上」の「イライラ」や「ブツブツ」が見えてくると。
そりゃ、そうだ。
僕も"昔はよかった”式の思考に陥らないように、いわゆる「少年」による「凶悪犯罪」が起きたら、少年犯罪データベース 戦前の少年犯罪を読むようにしてる。読んだからどうだってわけではないが、何にも知らないで語ってる人の言動を哂えるというような効能はある、と思う。
そういえば今回の事件もナンチャラの影響で大騒ぎをしているのだが、昔もこういうことがあったらしい。

昭和2年(1927).3.7〔小学生(満11〜12歳)が人妻の下着ドロ〕
 東京府豊多摩郡代々幡町(現渋谷区)で、小学生(13)が隣家の会社員の妻(35)に何度もラブレターを渡したり、干してある服を盗んで楽しんでいたので、この主婦が警察に届けを出した。
 同じ頃、小学生(12)が映画の影響を受け、「となりのおばさんはゲタ屋のおじさんと変です」という投書を警視庁に何度も出して捕まった。また、荏原郡大井町(現品川区)では13歳が映画の影響を受け幼女(8)をレイプして負傷させた。
(読売新聞の記事による)

幼女レイプってどんな映画の影響なんか、という気になるんだけど、1927年 公開作品一覧でタイトルを眺めても、全く予想もつかない。「となりの〜」は『—öˆ¤¬ü』あたりなのかなぁ。