暗闇の中心でアイを叫んだけものたち

東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』で植地毅さんが"牧口雄二ピーター・ジャクソンである"と断言した理由がおぼろげながら見えてきたかもしれん。
シネリーブル博多駅でやっている「カルトの細道」で『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』を見てきたんだけど。
これってもしかしてPJ版『キング・コング [DVD]』でもちらっと出てきた

闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1)

闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1)

(原題:Heart Of Darkness)の影響受けてる、もしくはどっかでつながってるんじゃない?という思いがむくむく。
いや、どこがどうでというのは説明できないようないたらない思いつきに過ぎないんだけどね。

東映の現場は徒弟制度が厳しくてね。大学を出ている僕なんかは現場の叩き上げの人たちにイジメにあったり、下積みがながいんですよ
(前傾書 「牧口雄二インタビュー」p202)

いや、脚本の志村正浩先生の情念の発露なのかも。
ひとまず岩波文庫版を読むことにする。

[映画秘宝島]あ、やっぱり

(『女獄門帖引き裂かれた尼僧』は)キワモノとしての娯楽的要素をそつなく盛り込みながら、耽美的な心地よさを引き出そうとしている。良くできたエロ劇画という表現が妥当とは思わないが、少なくとも私のような下品な観客が期待するスプラッター的にな要素を散りばめ、それだけには終わらせまい、低予算のプログラムピクチュアにありがちな、単なる作品を自己完結させる為の帳尻合わせ的なシラケた作品にない、さまざまな制限があってもこれだけは自分のやりたいことをやるという意欲が感じられる
悪趣味邦画劇場 (映画秘宝)』「呪われた活動屋魂牧口雄二に世界」天野譲二 p45

これって『ブレインデッド [DVD]』にもそのまま流用できるでしょ、「プログラムピクチュア」を「インディー」にでも変えれば。
南総里見八犬伝』を牧口監督に撮らせなかったのは日本映画の大損失ではないのか。

[♀]小夜の血

演じる佐藤美鈴が当時中三だったとは絶対に見えない小夜。
その小夜の血がどくどく流れているように思えるのが、百蚊のフロントアクト梶原洋未。

(百蚊「刺したい」)
彼女の持つギターは血塗られた裁切鋏だ。