エクステ見てきたよ

くどいようだが、『エクステ』は東映α第2弾。
http://www.toei.co.jp/movie/index.htm
一昔前、日本シリーズは2戦目が重要といわれたことがある。ただ、あの2戦目重視は、Ⅴ9巨人や常勝レオのように圧倒的な戦力を持ったチームのみに当てはまることでやはり1戦目が重要であるという論が優勢である。ということは今の東宝ならともかく東映α的には第1弾が・・・。
でもって第1戦の大惨敗から半年、迎える第2弾である。しかもパートナーズ(=製作委員会)が東映東映ビデオで制作プロがセントラルアーツなんていう、純粋な陣形だぜ(いや、TV局、出版社等の協力が得られなかっただけなんだろうけど)。
いやー、上映前の宣伝からどうもちぐはぐ感がいなめない。特にスクリーンに「Panasonic」と出て携帯が大写しになって、ああと思ったらまさかauとはなねぇ、劇場もPもなに考えてんだか。

まさにスリル&サスペンス

のっけから栗山千明の魅力満載。そんでもっておのおののシーンでの彼女が全く統一されないまんまで話が続いていく。ある時は青春アイドル映画の夢見るヒロイン、またある時は社会派(DV問題告発)映画の立ち向かう主人公、でまたある時は・・・といった感じで。
園子温監督はハナからそれをうまく纏めようなんて気はさらさらなく、その時々の栗山千明をさらし続ける。その間観客はちゅうぶらりんのまんまほったらかされて、その人の中の栗山千明観をひねくり出すことを強要される。ストーリーでなくこの関係がとってもサスペンス(正確に記すとsuspended)なのだ。
そしてだらしない母と怯える娘の容赦ない描写や職場の微妙な人間関係、意味不明なダンスシーンなどが、さらにエド・ゲイン&JWゲイシーな大杉蓮のラブ&ピース*1などなどが一つの糸(意図)として絡むことなく進んでいくのはまさにスリル―それも単に穴を掘り、それを埋めるといった拷問としての。
これは既存のホラーとは違った恐怖の提示であると気づいた時には映画はとっくに終盤を迎えていて、クライマックスには観客に対する栗山千明テストとは。
それにしてもマスター・オブ・ホラーとしてジョー・ダンテを目指していたとは・・・園子温恐るべし。

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※映画見終わって海苔ちゃんと香椎で待ち合わせ。
ブックオフ
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のパンフ見つけた時はちょっと光を見た。
『落陽』『デアボリカ』『殺し屋1』といっしょに購入。

母と娘の東映α

それにしても『スケバン刑事』『エクステ』『龍が如く』と並べてみて、この3本に共通してることは話の主軸にすべて母と娘、それも思いっきりややこしい母娘が絡んできてることに驚く。
斉藤由貴あやや、つぐみと佐藤未来高岡早紀夏緒とどれもこれがえぐい組み合わせ。でもって揃いも揃って父親不在で母親は問題おおあり―前の2つは役柄だけど『龍が如く』の場合は澤村由美えでゃなく高岡早紀に問題がありそうだもんね。

*1:これもヘアピースのもじりだね