シリーズ化でも結構でございます。

監督塚本晋也、主演松田龍『http://www.akumu-tantei.com/
前作『ヴィタール』は死から生を照射しかつたからに生の賛歌を歌った力作で、エンディングのCOCCOの歌声が聴こえてきた瞬間、それまでのシーンがズバババッバーっとフラッシュバックしてしまうような紛れもない映画体験だったのだが、『悪夢探偵』に関しては、しょっぱなTVシリーズのパイロット版を見てるような気がしてならなかった。
冒頭の龍平が原田芳雄に向かって「父の恩義がある人ですから」なんてセリフをはいた時には笑っていいものか悩んだが止めたとか、勝手にhitomiは絵になると思い込んでいた

ら、案外正面からのアップはつらいかもとかとか、「あなたはきっちり地獄に行けると思います」「地獄でも結構でございます」なんてやり取りは変だよねとか思いつつもけっこうはまってる自分がいるのだ。
で、結果的に「TVの」というのが全然マイナスに感じられなかったのだ。そう、はじめて僕がジーパンに出会ったのはTV(ブラウン管)だったのだ。そして、ジーパンはスーパーヒーローではなく傷つきやすいどこか弱さを抱えた、それでもどうしようもなくカッコイイ等身大のヒーローだった。そして昨日のスクリーンにはその血の一部を脈々と受け継いだ人間が映っていた。
特にヤツとの対峙の場面でぞくっとするような狂気帯びた目で肝をすえ、「鉄男」への誘惑を振り払いだ時、僕は心の中でつぶやいた
今まで熊谷龍平なんて呼んでごめんなさい。
そして、龍平がhitomiからのラーメンの誘いをしぶる姿にジーパンとシンコを重ねて・・・
hitomiの続投が妥当かどうかは微妙なところだがとにもかくにも続きはみたい。