オリビアを曳きながら

今福岡で公開中の映画で僕にとって最重要作品があるとしたら
団鬼六 縄責め』
である。
【PINK NO WAVE】福岡オークラ劇場

pick up!![団 鬼六 縄責め]
冷えきった夫婦関係 夫を愛せない妻と妻を玩具のようにしか扱わない夫。ふとしたきっかけで年下の男と恋に堕ちた人妻を待ちうける淫靡な罠。SM界のオリビア・ハッセーと呼ばれた史上最も美しいピンク映画女優高倉美貴も、ついにその芳醇な肉体をあますところなく開花する。フェラチオ、剃毛、浣腸責め、亀甲股縛り、SMレズ…羞私をかなぐり捨てて挑戦した。

"SM界のオリビア・ハッセーっていっても、オリビア・ハッセー自体がかなり過去の人だと思う。「君は薔薇より美しい」(カネボウCM)の後布施明と結婚した女優で代表作は『復活の日』・・・ではなく『ロミオとジュリエット』とよく言われるけど、ばりばり現役なんだよなぁ、あんまり興味ないけど。なんかこの前もTVで見かけたけど。ロミオとジュリエット [DVD]
ついでにいうとSM界のマリリン・モンロー谷ナオミで、SM界のイングリッド・バーグマンが麻吹淳子。MMはともかくバーグマンはどうなんだ?
おーっと高倉美貴
この人は"ロマンポルノ史上最高の美女"とも言われているが、これは(個人的には肯けるのだが)疑問の残る"から騒ぎ史上最高の美女"左官屋こと西方敦子とは違ってかなり定説に近いものがある。
でもって高倉美貴あのねのね原田伸郎奥さんだったりする
高倉美貴@闇の中の妖精

だが、僕の興味は高倉美貴ではなく、監督の関本郁夫にある。

 監督には、黛ジュン主演の「女帝」で女性の美しさと残酷さを描き出した鬼才・閑本郁夫。その粘りつくような演出は、高倉美貴を本格的な女優として研きあげた。競艶は、監督が関西から見い出した当時新人・高橋かおり。新人らしからぬ大胆な艶技でハードな責め場をこなしている。

ちなみにこの高橋かおりは、阿波踊りが得意で松原千明なんていう「勿体無いお化け」がとり憑いたヤツと噂があった人とは別人である。
おーっと関本郁夫であった。
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@allcinemaOL
オークラ劇場はにっかつ作品という関係とはいえ、なんで『女帝』をさも代表作として紹介してるのか非常に疑問である。
関本郁夫は助監督時代に『緋牡丹博徒 花札勝負』で名匠加藤泰の下で、といいたいところだが、この映画の脚本は「ゴッドファーザー・オブ・バカムービー」(兵隊の位で言うと将軍、周星馳が大将、羽住英一郎はまだ軍曹ぐらいと見た)の鈴木則文なのである。その後、鈴木大明神の『温泉すっぽん芸者』でも助監督を務める。ちなみにこの作品に団鬼六は理事Cとして出演している。あとこの映画菅原文太がノンクレジットでほとんど無意味な役で出てることでも有名である。
ゆえに間違っても名匠なんていうのが誉め言葉にならないタイプの監督である。
監督デビューは『女番長タイマン勝負』。で、この東映京都の時代の最重要作品がアンヌ隊員・ひし美ゆり子主演『好色元禄(秘)物語』。ラスト近くの西鶴の筆おろしをやってあげるお夏に女性の鑑を勝手に見てしまう僕である。
で、東映東京ではキカイダージローこと伴直弥出演の『処女監禁』。題名は思いっきり羊頭狗肉で監禁されるのは処女でもなんでもない。また昨年度の日本映画最大の事故『デビルマン』での大沢樹生の覗きカメラマンは東映〜NET(現TV朝日)を巻き込んだ、この映画への壮大なオマージュだと思いたい。
さらににっかつ(現日活)がロッポニカという名前をでっち上げ、「日本映画が変わる!ロッポニカが変える!」なんて息巻いていたのだが、すぐに息が切れたころの作品に『徳川の女帝 大奥』がある。大奥といっても菅野美穂瀬戸朝香も関係ない(当たり前)。主演は『キャバレー日記』というか友近のものまねで脚光をあびている竹井みどり。家斉には『女囚さそり けもの部屋』で梶芽衣子に腕ちょんぱされ、『仁義なき戦い 代理戦争』ではウソ泣き槇原を他所に男の引き際とはこうだとみせ、『探偵物語』では「工藤ちゃーん」という台詞とともに今尚『名探偵コナン』の服部に息づいている、成田三樹男が扮しているのだが、中身はすっかり忘れていてしまった。というか「大奥」がつくのはどれがどれかよく解らない。
で、1994年度日本アカデミー賞5部門ノミネート受賞0という輝かしい実績を残した『東雲楼 女の乱』を最後に・・・になんかするつもりなんかなく、去年だって『スクールウォーズ/HERO』なんて撮ってまだまだ元気なとこ見せてる人なのだ。
見たいでしょ、普通。スクール・ウォーズ HERO [DVD]女囚さそり けもの部屋 [DVD]徳川の女帝 大奥 [DVD]