また心強い走者につながれた

はっきり言って「見たい映画をつなぐタスキ」は今、単なるバトンの一つとなっておる(成り上がったともいえるし、成り下がったともいえる)。回る速度の速いものほど「ホテル・ルワンダ」のルの字もない。
①『電車男』②『セカチュー』なんてタスキに④『ホテル・ルワンダ』なんてのが出てくれば楽しいとおもうのだが、いかんせん世の中そんな風に動いていない。
それはそれで仕方ないのだと思う。「見たく」ない人間に「見たい」と強要するのは間違っているし、ほとんどの人間が僕のこと引用元にしながらろくすっぽ読んでいないことも、起点である僕が消えてしまってることもしょうがないんだと思う。
これは当初ルールを明確にできなかった僕の覚悟の無さが原因であり、全て僕が悪い。
そんな状況できままにFUKUOKAライフさん等の方々がリンク元を丁寧に辿っていってくれて、このタスキの発端を知って頂いて「ホテル・ルワンダが日本で公開されない」ということが一人でも多くの人に知れ渡ってくれれば。やってよかったと思う。
で、そんな中で重要な記事を発見。
ジェレミーのシネマパーティ

ジェレミーは実話の映画化はあまり好きではありません。というのも、主人公を設定してしまうために、どうしても敵対する人物が"悪役"として描かれてしまうから。"善悪"というものは、あくまで特定の視点から見たものであり、別の視点から見ればその立場は逆転します。にも関わらず主人公を美化し、ともすれば事実をもねじ曲げてしまう可能性がある映画化は、好きにはなれないのです。
本作もそのタイプの映画かもしれません。しかし、こんな嗜好のジェレミーも、日本公開が白紙になるのはちょっと解せません。悲劇を繰り返さないために、あまり報道されることのなかったこの事件を広く世に広めるという社会的意義はあると思いますので。ただし、観客がこの作品を鵜呑みにすることなく、自分自身で調べ、自分なりの真実を見つける作業は必要不可欠となってきますが。

このような危惧は正しい。メルギブ『キリストの受難』を『情熱』だと思ってる、なっちおばちゃん系の馬鹿が「ユダヤ人が悪いことが解りました」なんてノータリンな書き込みを批評サイトに書き込んだような反応が、この映画『HR』を見た観客から巻き起こらないとも限らない。
この虐殺に関して言えば、「フツ族」だけが悪いのではない。当然、「ツチ族」にもそれを巻き起こした要因がある。しかし、その要因は「植民者」が種をまき、培ったものである。そして何よりこの虐殺が拡大したのは「国際的無関心」のおかげなのだ。
アンジーの「バンビの死」(作詞、水戸華之介)の詞を借りるなら
「バンビの死におけるあらゆる罪は万人のものがあまねく背負う」
べきものなのだ。
こんなこと書いていると、えっあんた「ゾンビ映画」として見たかったんじゃないの?という突っ込みがあるだろう。
僕の「ゾンビ映画」として見たいという思いはいささかも揺らいでいない。
そういう突っ込みは下の引用先を読んでからにしてほしい。
『ホテル・ルワンダ』は現実版『ドーン・オ<ブ・ザ・デッド』だ
『ランド・オブ・ザ・デッド』速報②ゾンビ家元ロメロ大いに語る

追記

しかし、今回身をもって感じたのがかなりの人が"『ホテル・ルワンダ』は公開されるもん”と思っていたことだ。『ホテル・ルワンダ』を知らかった人はともかく、「ショウビズ」や「アカデミー賞」、各種の映画サイト等々でこの映画が存在することを知ってた人の多くが「公開されるだろう」と思ってたようである。
多分、まだ多くの「されるもん」と思ってる人がいる限り(現時点ではビデオスルーさえメドが立ってない)、引用元を読みもしない人間に「映画への思い入れのなさを勘ぐられ」ようと*1、少々「ピュア」な子に「邪魔」といわれようと、評論家くんに「効果がない」といわれようと痛くも痒くもない。事実、僕よりずっと影響力があり、映画に深い思いれや愛のある
『ホテル・ルワンダ』とJホラーの意外な関係
なんてとこでも取り上げて頂いた。
そしてなにより少なくない人が心を込めてこのタスキを受け取って頂いている。(全部を紹介したい気持ちで一杯なのだが、今回はごめんなさい)
僕ができることをやるだけなのである(from『宇宙戦争』)。
また、今、「HR」から遠く離れてぐるぐると回っている「タスキ」に関しても、何らかの策を考えている。それは一人一人に嫌がらせのように「このタスキの元々の発端は」などとコメントして回ることではないことだけはたしかである。
※「お前がやれぬーことならば 俺がこの手でやってやるー(『ワイルド7』TV主題歌)」みたいな男気を出して、そういうことやろう思う人がいたら絶対止めてください。
お気持ちマッジで非常にありがたいのですが、逆効果になりかねませんので。
参考:http://www.cgs.c.u-tokyo.ac.jp/ws/sympo_031213_resumee/sympo_031213_takeuchi.htm
http://c-cross.cside2.com/html/bp0ri001.htm
http://www.mirai-city.org/blog/archives/000024.php
http://onelove-project.info/rwanda.html
http://www.special-warfare.net/data_base/index.html

*1:実際あの時点では「自分の思いいれの無さ」を実感してたもんね。