この瞳には抗えない

僕は子供の頃から通信簿(通知表)に"注意力散漫"とかかれた。本を読んでいてもほかの事が頭をよぎって、ページは進んでても頭にちっとも入らないこともある。
で、今回はあえて本に集中しないようにBGMに「キリング・ムーン」バニーズとか「マーキー・ムーン」テレビジョンなんかをかけて呼んでいた。
しかし、ダメだった。「この瞳には抗えない」と思った。
自分のなかに乙女が蠢いているのを排除しようとしたが無駄だった。
思いっきり
「わかって まゆ 私は由が好きなのよ」
に動揺している。
まゆはこの途方もない「物語世界」と全国の少女読者をつなぎとめる存在である。彼女は世界を動かす存在の一人の娘ではあるが、月の石が分割された時点で決まっていた他のメンバーとは違い、あくまで巡り合わせでそうなったに過ぎない。もし、彼女が新体操の選手で近所に野球の上手い双子がいたら、いっしょに甲子園を目指した…なんてことはないにしても、物語の前半部―あの島のエピソードでは余計な存在でしかなかった。
20巻を読み終えた時点で「こと」は起こったばかりであり、この広げた大風呂敷をどのようにたたんでいくのか楽しみである。


僕ショートカットってあまり好物じゃないはずなんだけどなぁ。*1


※どうでもいいけど、日本の漫画にヨーロッパで最も敏感なフランスが大国の中に入ってないのは何故なんだろう。作者の年齢的に「ベルばら」はかなりの影響を与えてると思うのだが。
※作者本人は銃器・平気に興味があるように見えるのに、どうしてそのことに照れるのだろうか。やはりオンナノコがモノに拘るのははしたないことなのか。
※今年の食い散らし大将邦画NO1候補*2『ヴィタール』で塚本は南洋の眩い光も下の「生」に救いを求めた*3、しかし、この作品と『夜叉』『イブの眠り』ではそのことを踏まえた上で、亜熱帯の聖なる母なる島が「災い」の元として描かれている。少女漫画はやはり最先端なのか。

*1:そういえば「のだめ」もそうだ

*2:いくつあるんだ

*3:本当はあの商店のある町が人々の生きていく場所ということかもしれないが