人生を変えたとか、こんな××は経験してません

昨日の「BSマンガ夜話」で「10代の人間のこんなマンガは見たこと有馬縁」等の言葉に大月隆寛氏といしかわじゅん氏が違和感を覚えていた。僕は同じような気持ちを抱きながら、8年ぐらいの報道番組でインタビューを受けていた一人の少年を思い出した。
彼は「オウム」の事件にショックを受けて脱退していたのだが
「あの教義は世界一だから」
と答えていた。彼がその世界一と言っている教義をたの宗教と厳密に比較したとは思えない。あんなパッチワークなもんをけっ!というのは簡単だが、彼に「オウム」のダメさを認識させるのは難しいと思う。
彼のいう「世界一」と今日のファックスの「今まで」というのは同じメンタリティの上に成り立っていると思う。そして、そういう短絡的で無根拠な思い込みがあのような悲劇を生んだ原因の一つだと感じる。
だから、岡田*1氏が示した「でもこの子達の中では」というような安易な共感ではなく、やはり「君たちのような少ない経験ではそういうこと言うはまだ早い」というのが大人の態度としてと正しいと思う。
例え10年後20年後、彼女、彼らがこれから沢山の経験を積んだ上で今回の作品に対して同じこと言うかもしれないが、今の時点では「私は色々な作品を読んできましたが」なんて言葉には「それは違うよ」と言ってあげなければいけないんだと強く思う。

*1:彼だって二人が言い出さなければ同じことを言い出したに違いない