『パブロック革命』

僕にとって「メスチルホスホン酸ジフルオリド」と「メスチルホスホン酸ジイソプロプル」の違いとか、コートジボアールの首都の明日の降雨確率がどうでもいいように、多くの人々にとって「パブロック」なんてもんは大した存在ではない、ってことはよーく分る。
だから、「革命」(しかも原題にはgreatまでくっついている)などいう大袈裟なタイトルの必然性が感じられる人が何人いることだろう。
しかし、この針小棒大さがこのムーブメントの本質なのである。だからこの本に書かれているのも「なんてことあないこと」をさも「スッゴイこと」のように喧伝してきたペテン師どものじたばたの連続。それを愛しく感じられる人だけのための本。
この際「ロック史」におけるパブロックの重要性なんてもんはどうでもいい。したり顔で「巻末のディスコグラフィが云々」なんか言うやつは犬に食われろ*1。だいたいこの本に書かれていることがウソじゃない保証すらないんだから。

*1:とある雑誌のレビューでINUの『飯食うな』と矢野顕子の『ご飯ができたよ』が隣り合わせだった時は笑った!のを思い出した。全く関係ないけど